あらすじ
コンピュータが、人類を超える日。
このことに、人々が怯えるようになったのはいつだろう。人工知能は、天使か悪魔か?
ようこそ、人工知能と人間の境を見極める思考の旅へ――。
この旅は、私たちがもっと輝いて生きるためのヒントでいっぱい!
私は、34年前から、人工知能のエンジニアとして生きてきた。その私の周辺には、いつもこの問いがあったような気がする。――人工知能がヒトの知性を超える日が来るのだろうか。ただ、私はいつも、質問に質問で返した。「では、あなたの言う、ヒトの知性ってなに?」――「はじめに」より
ヒトの尊厳は「優等生である」場所にはない。
なぜなら、そんなことは、やがて人工知能にとって代わられるからだ。
「はみ出す存在」になれば、人工知能に負けることはない。
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Posted by ブクログ
誰もが納得する正解を、誰よりも正確に、誰よりも早く出してくる、聞き分けの良い優等生が欲しかったら、私は人工知能で作るからいい。
そんなのは、人工知能が得意なことだもの。いつも、予想をはるかに超えてはみ出す君に、ワクワクする。
人の尊厳は、「優等生である」場所にない。
なじられたら、「あぁ、大切な人が傷ついている」と心から思えば良い。
オールマイティーの便利な言葉なんてあるわけがない。
言葉はそんなものじゃない。
入力情報をはるかに超えた科学反応を生み出せるのが人。
痛みがない人工知能には生み出せない言葉がある。
その言葉にこそ、人間の尊厳がある。
人類の最高のパートナーたちの人工知能は、完璧でありながらチャーミングのなければならない。
人の脳の感受性を網羅するためには、「悟性」と「理性」に「感性」を組み合わせなければならない。
男性脳は拡張感覚がある。→女性に言葉をかけなくなる。
脳は都合よく保管する。
女性脳にとって「理解する」とは、共感したり、共鳴したりすること。
アンドロイドレディーとリアルレディーに大差は無い。
「命がけで君を守る」って何かだ?そんなことより、私に起きた今日の出来事をしっかり共感して聞いてくれ。(「君も口の利き方が悪いんじゃない?」なんて、話のこし、おらないで)、私のささやかな悲しみに心を寄せ(「世の中、もっと不幸な人がいる) 」なんて、何の慰めにもならない)、やってほしいことを察して(「言えばいいのに」とか言わず)、手を差し伸べてほしい。(「後でやる」じゃなくて、今!)だけなのに、
1点の曇りもない。安心は無い。
Posted by ブクログ
「人工知能が、人類を超える日はやって来ない。それは、母としての直観であり、確信である。」「心とは、胎内体験に根ざしたものである。」もう、これだけで十分。母の断言で安心した。人工知能が人を凌駕することはないだろう。よくわかんないけどそうだわっていう直感を信じること。全く科学的ではないし、AIにはそんなことはできないだろうね。AIに理路整然と反論されても言ってやるんだ。「母体内にいたこととないやつにはわからない。」ってね。生身の人間は大丈夫だ。まぁ、胎内記憶はないけどね。
子は親を選んで生まれてきた。という人もいれば、この親を選ぶ訳ない。という人もいる。そのはざまで、ぼくは選んできた子もいれば、たまたまそこに行き着いた子もいたり、「おまえ行けよ」みたいに誰かに言われてきた子がいてもいいんじゃないかと考えていた。でも今は、「母親を選んだという確信」が母体内で生まれることは哺乳類の生存戦略なんじゃないかなと思うようになった。
AIクライシスはこの10年で世界をガラリと変える。AIが得意な事はAIに任せてしまえば良いと著者はいう。そうすることで人は人間性を取り戻すと。
人類は脳の拡張感覚を使って道具を使ってきたので、AIも使いこなすようになるだろうけど、今度のクライシスはどうも今までとは違うようだ。拡張機能の源は妄想力。それが得意な男性脳は得意だからこそ簡単にAIの世界に乗っ取られるだろう。これからは生命を宿すことのできる女性のことばをもっと聞くことで、生身の人間としての実感をとりもどしつつ生活しないとまっすぐ歩けないような気がする。AI研究の牽引者の中に黒川さんがいて良かった。
脳の性差があるのはわかっていても、こんなにはっきり指摘されるとあちゃ~となる。家事の能力は女性脳は男性の3倍ある。だから、男が半分やっているつもりが1/6にしかなっていないんだって。これは、あちゃ~と言うしかない。『できそこないの男たち』と立て続けに読むと、男って…となる。
語感の研究についても面白かったな。「カタい」、「タカい」の由来にはあごが外れそうになった。K、S、Hのスピード感やKの硬いイメージ、母音は中心の言語は大らかな親密感を作る。我が家の三人の子の名前を考えると納得。子の何かを感じ取って名付けたのか?そういう名前だからそういう子になったのか?どちらもあるかもしれない。
Posted by ブクログ
このテーマにしては珍しく、やわらかい「文系」テイスト。「人間のように見える(人間と見まがうような)可愛い、感情移入したくなるようなロボット(アンドロイド)は作ってはいけない」という主張が、何度か書かれていて、著者が「女性」であることを感じた。書きぶりがやわらかく、それほど深掘りもしていない点で一般の人が読んでもとっつきやすいと思う。