あらすじ
その日私はお腹の子と共に、夜行バスに乗って東京を去った……田舎の海沿いのラブホテル「コート・ダジュール」を舞台に、女性の持つ業と痛み、そして連綿と続く「命」の連鎖を描く飛躍作!
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Posted by ブクログ
生まれながらにしての罪と許し。
不倫相手の子を妊娠し、相手の家庭を壊して逃げるようにラブホの住み込みの仕事をすることになったみつみ。
雇い主の頼子さんが行なっている怪しげなミサに参加して
頼子さんが言うには、人が抱えている罪と、それを神に許してもらうことができるということだった。
子供だった頃、絶対的な存在だった不安定な母によって
窮屈な日々を過ごしてきた記憶。
あっけなく関係が壊れていった不倫相手とめちゃくちゃにしてきたその家族のこと。
日に日に大きく成長していく腹のなかの子供。
温厚で物静かな頼子さんが、実は昔に旦那を正当防衛で殺していたことを知ったみつみ。
最後がなんとも、びっくり。
人の弱さを信仰することによって保つことは、それはそれでありだけど
子供という逃げ場のない存在にそれを押し付ける行為って、ゾッとするね。
そして、女って生き物は執念深く、強い。