あらすじ
「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、過酷な労働や理不尽な掟に縛られた村の暮らしを受け入れて育ってきた著者は、なぜ自ら村を出たのか? 村で過ごした13歳から19歳までの青春期を描き、当時のマスコミを騒がせた村の実態に迫る、衝撃の実録コミックエッセイ。朝日新聞、毎日新聞、新潮45、TVブロス、アンアンなど、数多くの書評欄で取り上げられ、「その後の話が読みたい!」の声が殺到した話題作『カルト村で生まれました。』の待望の続編! 思春期をむかえた村の子の毎日(音楽、男女交際、一般の本を読むことは禁止。男子の部屋も女子が掃除!)。「個別ミーティング」や内容を大人にチェックされる「日記」など、思想をコントロールする村独自の新たなシステムがスタート。結婚相手は年の離れたおじさん!? 村の「調整結婚」など驚愕のエピソードが明らかに――。
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うーん
この方は本部に派遣されたので、中等部以降は結構恵まれた生活だったようです。
他の地域ではもっと酷い話や、イジメの温床だったとも聞くのですが…
作者は生まれた時から村育ちで外の世界を知らず、一般社会から村に入れられた子供と感覚が違う…
生粋の村育ちの子供達は、親が一般の子供達にとっては話が通じず侮蔑の対象であった
とききますが、まさにそういう場面が出て来てドキリとしました。
他の子供達がヤマギシの批判本を読んで村の批判を始めても、作者は
「私はここで生きていくし」
とどこかボンヤリしています。
その辺がすごくリアルなのですが、惜しむらくは
「生粋の村育ちの子供は、一般の世界を知らず洗脳済だった。他の連れてこられた子供達とは違った存在」
ということを作者自身が自覚していないように見えるのです。
だから常にヤマギシへのフォローがちょこちょこと入りますし、いい思い出だったみたいな補正もあって…
作者さんは正直に描かれたのでしょうが、これを読むと「そんなにヤバくないじゃん」と思う人がでそうで、そこは不安です。
Posted by ブクログ
面白かった。別の著者の批判本に出てくる特講についても出てきて興味深かった。洗脳とかも指摘されているが内部の人にもおなじようにするとは、組織が硬直しているしるしかも知れない。
この本だけではカルト的要素は薄く感じられ、人類の理想郷建設の、(当初の?)団体の硬直した内部の体験記といった感じ。
Posted by ブクログ
続編。マイペースなこの作者だからこんな風に振り返りができるのだろうか。暴力がなくなった分、中学部以降は楽しそうだった。食べ物に困らない本部に行ったからだろうか。しかし、この平成の時代に中卒というのは気の毒な気もする。ふさおさんに出会えてほんと良かったよねー。しかも出会い系サイトでなんて。しかし、親は一般に出てくる時どう思ったのか。今更普通に就職するなんて。
Posted by ブクログ
前作より明るい雰囲気になった印象を受けた。それがギャップで、想定外の反応とかがあったのかなと勘ぐっちゃうくらい。
村を出るまでっていうタイトルからして複雑な葛藤を予想してたけど、意外にシンプルだった。
親との時間を奪われたことに対する悲しい記憶が、本人も驚くほど根強くあって、それをきっかけにカルト村は自分の居場所ではないと気付く。
それにしてもこの両親が勝手過ぎて驚いた。子どもの感情を抑えつけておいて、一般に戻ろうという話をしてたってふざけ過ぎだろう。
本書を通して知らない世界を垣間見れたことは良かった。