【感想・ネタバレ】思考のための文章読本のレビュー

あらすじ

本物の思考力は、先人の文章を読むことによって磨かれる──。着想し、論理を練り上げ、効果的に表現するという言語表現のすべての過程に作用する「思考」。古今東西の思索者たちは、どのようにそれを働かせてきたか。本書では、彼らの文章を自在に切り取り、さまざまに組み合わせることで、そのパターンを抽出しようと試みる。そこで分類された10の思考法は、私たちが本気で何かを考え、ひとに伝えようとするときの確かな指針となるはずだ。知的実践の基礎技術を網羅した前著『知的トレーニングの技術』の応用編となる、画期的な試み。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「知的トレーニングの技術」の応用編。文章例に見る、10の思考のパターンを筆者なりの視点で解説

単語の思考
語源
確実
全部と一部
問い
転倒
人間拡張
擬人法
特異点
入れ子

思考のための文章読本を読んでいて興味深いフレームワークは以下の3つ。
・ラングーエクリチュールースタイル
・論理ー思考ー思想
・一般ー特殊ー個別。

なぜ興味を引くかいうと、、

社会×個人を考えると、人間が自分個人の個別の状況を 理解するということや表現するということ、は人間が社会全体の状況を、普遍的に理解するということや表現するということと並列に捉えられる。その中心にあるのが言語だということだと常々考えてきた。この観点からは、ラングとスタイルというのは、それぞれ社会と個人に対応する。

他方、新鮮なのは、ここで提示されているのが、社会と個人という二分法ではなくその中間体があるということである。確かに普遍的な論理学と言うことでは、結局固有性が乏しいし、逆に、個人の文体スタイルを追求しすぎるあまり普遍性がないのは文字通り独りよがりになる。思考するということはこの中間体に相当するいうことであり、それを自分なりの個別の状況に当てはめるということだといえそうなのが、興味を引く。ここでいう「思考」はむしろ「学ぶこと」ととらえた方が適切かもしれない。

0
2021年04月28日

「ビジネス・経済」ランキング