あらすじ
児童相談所併設の一時保護所は、虐待を受けた子どもや家庭内で問題を起こした子どもらが一時的に保護される施設だが、「あそこは地獄だった」と証言する子供たちが多い。社会起業家である著者自ら一〇カ所の一時保護所を訪問、二つに住み込み、子供たち、親、職員ら一〇〇人以上のインタビューを実施。一時保護所の現状と課題点を浮かび上がらせ、どのように改善したらよいのか、一方的でない解決の方向性を探る。
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Posted by ブクログ
メモです
◯問題点
・児相の一極集中化
・多くの地域、特にコミュニティが弱って子どもを支える力が失われていることで、児相が子供とその親の問題を全て一手に抱えていること
→細かいケアができない、児相自体に外部の目が行き届かない
心理士は、子供の心理状態+安らかに過ごせる環境づくり
・学校との連携の重要さ、他機関との情報共有
Posted by ブクログ
著者は社会的養護下にある子どもの支援に取り組む非営利活動法人Living in Peace代表理事。児童相談所以上にその実態が知られていない一時保護所に焦点を当て、一時保護所経験者の声を集め、自ら施設に泊まり込みもしてまとめられている。貧困や虐待のデータを示した偏らない主張と行政等への具体的な提案に説得力。以下、備忘。
・一時保護所の処遇内容は地域差が大きく、元教護院など保護所の歴史が影響している。
・目を合わせてはいけない、私語禁止、私物不可、ルール違反に懲罰部屋等々極めて抑圧的な保護所も。一時保護所が耐えられず、虐待されても家庭復帰を選択する子どももいるなど、子どもの保護を第一にした場になっていない。
・鳥取県の取り組み。
・非行、被虐待、精神障害の3種類の子どもが処遇される管理上の難しさ。職員不足。
・処遇決定のフロー(大変参考になった)
・児相職員の訪問が家庭を追い詰めている?
・家庭支援と家庭介入を同時に児童相談所が担う矛盾。敵対しつつ支援は困難。アメリカでは第三者機関が保護決定をし、相談所は家庭支援に専念。
・児相の人事改革、児童福祉士の増員、児相に比べ一時保護所の職場内地位が低い現状の改善、児童相談所への外部監査。
・市区町村や地域との連携。大阪「こどもの里」、平塚の取り組み。