「すごいマンガが出た!」この一言に尽きます。
古よりこの国に住む半人半馬の種族「人馬(じんば)」。戦国時代、人は人馬を道具や奴隷のように扱うようになっていました。人と人馬の埋めがたい溝が横たわる世界で、二頭の人馬の人生が交錯し、物語が紡がれていきます。
他者への無理解、生まれる恐怖、争い、支配。今作で描かれる人と人馬の関係は、現実で人がいまだ乗り越えられないこれらの問題を読者に突き付けるようです。また、自然環境の中で寄り添うように生き、死んでいく人馬たちの姿には、家族のありようを改めて考えさせられました。
作品のテイストとはまた違う楽しみ方が出来るのが巻末のおまけ。著者である墨佳遼さんの遊び心が散りばめられています。さらに!電子版は特典ページがありますよ!
読者を圧倒する世界観、独自のキャラ造形、それらを支える抜群の画力。今年注目の一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2018年06月02日
生きて命を繋ぐ事は、子孫を残すと言う使命もあるが、知恵を次世代に残す事も含まれる。少子化が叫ばれている昨今、自分の子供を持たずに生涯を終える者も、前世代にからは考えられないくらい増えているに違いない。その生き方を選んでいても、知恵を残す事で力を貸せるんじゃないか、そう言う事を考えさせられる。