あらすじ
作詞家、音楽プロデューサーとして活躍する著者の小説&エッセイ集。彼が日常に「言葉」を紡ぐと「物語」が生まれる。そこには誰をも魅了する、堪えきれない笑いがあり、ゾクッとする恐怖があり、腑に落ち過ぎるくらいのオチがあり、最後は世界の真理を言い当てられたような不思議な気分にさせてくれる。「言葉」の持つエンターテイメントの可能性を開く1冊。
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Posted by ブクログ
すべてにわかりやすい起承転結があるウィットに富んだ短編集であり、著者を知らない人にも自信を持っておすすめできる。
もう何度読み返したかわからない、ファン目線でとにかく嬉しい一冊。こんなに分厚い本で彼の紡ぐ言葉に浸れるのは、ファンとしてはたまらない。
興味を持ったらぜひ曲も聴いてほしいなという下心込みで、よく知人にすすめます。
Posted by ブクログ
シニカルでシュール、目の付け所とユーモアセンス。じゅんじくんの歌詞やブログの文章がとても好きだったので単行本で読んで数年後、文庫で読み直し。やっぱり天才だな〜〜と思ったんですが意外と賛否両論なんですね。
小説とエッセイが行き交う構成もまた面白い。
本人も20代で尖っていた、と振り返っている通り、ボーナストラックの文章からはあらゆる意味で大人になったことによる含みと優しさ、変化と成長がありありと感じられます。
しゃぶしゃぶのエピソードは泣けました。
Posted by ブクログ
超面白かったです。
と思ってネット見たら賛否両論でびっくりしました。
いしわたり淳冶さん、一発目の「すごい顔色」読んだときはひやっとして鳥肌立ちました。
この人小説もかけるんか!
星新一に近い感覚をおぼえる小説もブ、ラックジョーク効いてて面白いのですが、私的にはエッセイが好きでした。考え方や感性がやわらかくて、力んでなくて緩くて、素で素敵。
帯で鈴木おさむさんがベスト5を考えながら読んでっていってましたけど、ベスト5なんて決められませんよ。面白いもの。
個人的にはエッセイばっかりになっちゃったし、
読み終わったあとに目次を読んで話を思い出してアンコール的に読みたくなったのは以下13本でした。
すごい顔色
made in 自分
数字の話
真面目なプレゼント
我輩の辞書には
窃盗のすすめ
NEW MUSIC
新時代小説
フジヤマインマイヘッド
イメージと未来の話
CD屋敷
一時間、語れることはありますか?
銀色の鍋
NEW MUSICとボーナストラックに入ってるエッセイはどれも好みでした。やー、また本出してくれないですかね。絶対ほしい。面白かった。
人に貸して、どれが好きだった?
ってやりたくなる本ですねこれは!
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星新一の現代版ってところですかね?
そこまでSF一辺倒ではなく、ショート・ショートとエッセイのバラエティセット。
休日にゴロ寝しながらページを繰るには最適な手軽さ。手軽だけど楽しい。
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ショートショートの小説とエッセイパートに分かれてますが、エッセイが非常に共感できます。そして素晴らしい!
いしわたりさんはもと、スーパーカーのメンバーでスーパーカー時代は知らなかったのですが、大ファンになりました。
小説の方はあまり合わなかった。
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○若者や現代のおかしみを、いまの言葉でアピールしてくる掘り出し物の一冊
55話の小説とエッセイの繰り返しの中で、若者や現代の不可思議さ、おかしみ、特徴、遊び心、嫉み、ねたみを凝縮して、若者や現代の言葉でアピールしてくる。
と言っても、初出は2004年のロッキング・オン・ジャパンの雑誌の中だ。2004年はまぁまぁ古い。古いのだが、変わりのない景色が語られる。
小説とエッセイを織り交ぜてつむぐこの文庫は、短編連作でもなんでもなく、一話一話が必ず気持ちよく完結する。
一話目の「顔色」では、ある女の子を誘った男の話。話していても退屈な女の子とデートしているわたしは、女の子が自分の顔をふいにじっと見て「顔色でストーリーがわかる」と言い出す。その後分かれた女の子を追いかけようとするわたしは――。女の子の見えていた「顔色」とは何だったか。
いしわたり淳治は、わたしの大好きなアーティストの楽曲の作詞を手掛けることが多く、以前から興味を持っていて、今回購入するに至った。いしわたりは、至って文学的に、心に惹かれる言葉たちを紡ぐ。若者の気持ちを若者の視点で描くのだ。と言ってももう41歳とかなのだけど。
ちくま文庫も固い文芸・学問系だけでなくこんなのも発刊してくれるのだな、と。
筑摩書房で販促のFAXをやってくれなければ目に留まらなかっただけに、いい掘り出し物を得られたような気がしている。
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短編&エッセイ集なので、ちょっとした移動時間に1エピソードずつ読み進めることができた。
お話はどれもウィットにそんな風に展開するの?っていう驚きがあって、早く早くと次のエピソードを読みたくなる。
作者にはもちろん会ったこともないし、この人が作詞したものをたぶん聞いたことないと思うけど、
会ったらきっと、一見暗い人に見えるんだろうなと思った。
あんまりおしゃべりなタイプじゃなくて、内側でなんか考えてそれを人においそれと言わなそーだなみたいな。
でもその内側で考えてることが「愛が何より!素敵じゃないか、愛」みたいなことを考えてる人なんである、きっと。
素敵じゃないか。
Posted by ブクログ
2019.1.11
うれしい悲鳴をあげてくれ
タイトルが秀逸。それでもう十分じゃないか。
内容はなんだか星新一とか安部公房を思い出した、どっちも教科書でしか読んだことないけどね。
エッセイパートは「一時間、語れることがありますか?」が、グッときた。とても。
Posted by ブクログ
「誕生日が男を冷たく見返した」この表現にすごいセンスを感じる。エッセイ集だけど、ショートショート(小説)とエッセイが章ごとに交互の構成。
「お前、ロックスター、になる、言った。十年後の、今日、武道館のステージで、必ず、おれと、会う。約束した。なのに、お前、約束、破った。」
夢がハイエナとなりその男を食い殺す「あくびをしたら」他、妙に考えさせられるショートショートが多い。
Posted by ブクログ
ボブ・ディランの伝記映画『名もなき者』のパンフレットでお名前を拝見するまで、著者のことは存じ上げていなかった。アーティストとして活躍される傍ら、Superfly「愛をこめて花束を」やLittle Glee Monster「世界はあなたに笑いかけている」等、数多くの作詞も手掛けられているという。
本書は彼の短編小説集で、何だかキャッチーなタイトルに惹かれた。
「世界でいちばん整頓の難しい場所は、間違いなく自分の頭の中だ」(P 107)
普段彼が妄想していることを文字に起こしていった感じ。
とりわけ驚愕するほどのものでもなく、一度は私も考えていそうなトピックが綴られていた。だから、彼の脳内世界についていけなくて途方に暮れる…なんて事態にはならなかったと、自負している。
短編小説とエッセイをミックスした構成で、寸劇の合間にトークショーを観覧している気分だった。大体が2000年代に書かれたものだから、「トリビアの泉」等多少(!?)古いネタも見受けられたり…。
しかし今でも尾を引いている社会問題を皮肉ったり、登場人物らがそうしたツケを喰らっていたりと、身体のあちこちを針で突つかれるような感覚を覚えた笑
「偶像崇拝」(P 55-60):短編だから、下手すればネタバレになる危険性を孕んでいる…!だから皆さまをガッカリさせないよう、レビューには気をつけていく所存である…!
独立して自身の店を構えた美容師の男だったが、ほぼ連日閑古鳥が鳴いている。ある日、閉店時間間際に神様(!)が来店し、男にヘアカットを依頼。料金を支払う代わりに神様は、男の願いを叶えてやろうと申し出るのだが…。
これは、ストーリーの展開に誰もがヒヤッとすることだろう…。今自分が見ているものは、本当に自分が思っている通りのものなのか、しばらく思考が行きつ戻りつしそうだ。
「誕生日を祝う理由」(P 132-137):前半が小説形式、終盤にそれまでのエッセイ形式に戻るという不思議なスタイル。誕生日と男が会話しているのだが、男は誕生日を億劫がっていた。そこで誕生日は男にある提案をする。
自分の誕生日が単に歳をとる儀式と化したのは、いつからだろう。これを読んだからには、虚しいものだと捉えるのは、もうよしたい。
「正義の見方」(P 216-220):ヒドい話だ…。ストーリー自体ではなく、主人公に突きつけられた現実が。
ある人にとっての正義を別の正義で潰す。それで平和になったと思い込んでいるのは、潰した側でしかない。主人公の言葉を借りるなら、まさに「ふざけるな」だ。
「ある研究結果」(P 256-260):ある学者が動物実験の結果を学会で発表する中、人間の一家がスクリーンに映し出される。
オチはちょっぴり雑だったけど、この話は発想が好きだった。「人間様だ」とふんぞり返っている人類にも、理解が及んでいないことがある。別の話になるが、下記の言葉を思い起こさせた。
「探し物は探そうとすればするほど見つからない。見えているのに見えないものがあるせいだ。人間の目なんていい加減なものだ」(P 100)
生きていく中でも、一番肝に銘じたい「詞」である。
Posted by ブクログ
2015年、一冊目。
義理のお父さんにもらう。
タイトルは秀逸だが、中身は凡庸。
まぁまぁ良くできた星新一といったところ。
退屈はしないが、そこまで面白くもない。
何より、本書を購入する義理のお父さんの若さに脱帽。
Posted by ブクログ
最初は好みに合わないしこまっしゃくれてんな!てなったけど後半は慣れてきたからか、読んでてへ〜なるほどね!ってなってきた
タクシー運転手に死にますよ!と言われた実話と金縛りの血みどろ老婆をカツ丼に変えた話が好き
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興味本位で手に取ったけど、意外に面白かった。ま、あとがきで書かれてるよう、若さゆえか気負いや少々鼻白む感はあるけど。なつかしいなー、スーパーカー
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一話一話にオチに鋭い切れ味があって面白い。
ただ超短編集なので、一気に読む本ではなかったな。本来の連載という形で読む方が断然面白さが引き立つと思う。
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帯を読んで面白そうと思ったので読んだ。
小説は面白いけど、大どんでん返しを期待しすぎていたのかあまり...。でも短い話の中でこれだけ書けるのはすごいと思った。
エッセイはよかった!エッセイはあまり読まない方ですが、色々な考え方や視点などを知れて満足。
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タイトルに惹かれたので、著者の正体も裏表紙の内容紹介も見ずに買ってみた。
ロックミュージシャンのようですが、とても純粋で素朴、かつユニークな視点で書かれているエッセイはかなり面白い。
一方で短篇小説はかなりブラックな印象が強く、新鮮だけど好みではなかった。
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55のエッセイまたは小説が収録されている超短編集。
正直、短編小説もエッセイも好きではなく「読まず嫌い」なので、衝動的に買ってみて開いてみたら「あっ失敗した!」と思った本。
そんなわけでかなり期待していなかったけれども、意外と楽しめた。
「いしわたり淳治って作家もするんだ」ってところで始まる面白さもあった。関ジャムで解説者として出演しているもんね、関ジャム観てなかったらそこの楽しさはなかったと思う。作詞家だからなのか、言葉のテンポがいいなと思う文章に何度か出会った。そのおかげて読みやすかったし、曲にノるではなく、文章にノれた。
読み終えて一番印象に残っているのが、いしわたり氏の野球の見るポイントに話しているところ。
私のおばあちゃんがテレビでスポーツを見るのが好きで、しょっちゅう見ている。野球もその一つ。「どっちのチームを応援してるの?」「今どっちがリードしてるの?」「おもしろいの?」って色々聞いてみても「わかんね」って言われる。「よくわかんないのに毎日のように見てるんだね、ヘンなの」って私と姉と母とでいつも話してる。
それで今回のいしわたり氏の野球の話。引用にも載せたのだけれど、野球は野球選手の表情が面白いそう。結果よりも前に表情が結果を語っているとのこと。ふぅん。だとしたら、うちのおばあちゃんもそういう切り口で野球を見てるのかな、すごいな。もしかしたら違うかもしれないけど、理解に及ばなかったおばあちゃんのそんな読心術みたいなものに気付けたのが嬉しかったかな。
エッセイの面白さが分かった本。
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言葉の贅を尽くした どこか確信犯的とすら思える 大仰な列 紋切り型の答弁 精悍な顔つきに感銘を受けたいし 物見遊山気分で イナダとハマチは同じなんだろね カップラーメンが爆発的に広まったのは浅間山荘で機動隊が食べてたシーンが報道番組で映ったからなんて言うし 鈴木おさむ 天女
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小説を読んでいるのかエッセイを読んでいるのか分からなくなる瞬間が何度もあった。
日常を巧く切り取って物語に仕立てあげていてプロだなあと思った。
Posted by ブクログ
"小説とエッセイ集。最初の一編を読み衝動買い。
印象に残っているのが、衝動買いをしてしまうきっかけになった、「顔色」。
喘息の人が乗ったタクシーでの出来事「殺人タクシー」。神様にすがるときの諸注意を教えてくれる?「偶像崇拝」。など。
私の好みと、そうでないものが混在した短編小説集。小説だけではなくエッセイも収録されている。"
Posted by ブクログ
作詞家いしわたり淳治さんの短編集とエッセイ集。常識と思っていることは本当に常識ですか?と投げ掛けてくる。ブラックな感じでばっさり切られる本。日々を物語として切り取るのが本当に上手い。関ジャムのコメント時の切り方の上手さはこの感性からくるのかな
Posted by ブクログ
普通のエッセイとダークなショートショートの読みやすい本。一番初めのやつと、猪を前に考える女の人のやつがよかったかな。砂浜で綺麗な貝を拾う感じで、たまにおもしいってゆう本。誰の影響かと考えるのは楽しかった!出てくる女の人が一辺倒で、バカかバカ以外ってゆう2パターンだったのが馴染まなかったけれど、読んで面白いより、居酒屋とかで聞いて面白い話だったんだと思う。
Posted by ブクログ
17/09/24 (65)
小説はダークな感じで好みではないけどエッセイのほうは好きでした。
・いつだって若者たちは怖がりなのに怖いもの知らずで孤独は嫌なのに人付き合いに心底疲れていて携帯電話がないと不安なのに携帯電話が煩わしいと思っていて皆より目立ちたいけども目立ちすぎたくはなくて笑わせるのはいいけど笑われたくはなくて表面上は楽しくしていても内心はナイーブで傷ついていたりして皆と違うことをする勇気はないけど皆と同じだとは思われたなくて…といった具合にとにかく複雑で、若さから来る日々の色々な問題に、若さゆえの色々と問題のある考え方で一生懸命に挑んでいる、不思議な生き物なのです。(P354-355 文庫版あとがき)