あらすじ
伊東潤デビュー10周年の集大成
警察の父・川路利良大警視(現:警視総監)の生涯を描いた長編時代小説
明治維新――。それは、謀略渦巻く、弱肉強食の時代。
純粋な志を持つ男たちが、権力を握るや、醜い修羅へと変わってしまう。
薩摩藩の下層武士にすぎなかった川路正之進利良は、
西郷・大久保の走狗と化して、歴史の渦に巻き込まれていく。
そして、野心という魔物が川路の心を蝕んでいくのであった・・・。
鳥羽伏見の戦い、江戸城無血開城、西郷下野、佐賀の乱、大久保利通暗殺・・・
歴史の暗部を生きた川路利良が見た幕末・明治の真実とは・・・?
明治維新の謎が今、解き明かされる!
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Posted by ブクログ
「もう昔の山出しじゃありませんから」
自分の考えを持たず引き立てられた人
にとことん尽くす走狗
彼の悲劇は、自分が走狗を使う側に移っ
たと錯誤したため、何時までも走狗扱い
をする大久保に対して判断誤りが出た事
川路利良は城下士という下層武士らしい
彼は上士層から蔑まれる立場のようだ
薩摩では更に下層の身分があり、外城士
(郷士)は、半農半士として謂れのない
差別を受け事だろう
小説は学者の描く世界と異なり、動機を
持つ人間が知っている行動(笑)をとる
ま、この先知ってる~、という自己満足
Posted by ブクログ
初代警視総監(大警視)の川路利良を描く歴史小説。
林真理子の「西郷さん」にがっかりだったので、口直しに幕末維新の薩摩ものに手を出しました。
「翔ぶが如く」でも登場した川路を主人公にしていて、司馬さんの作品が群像劇なのに対して、主人公視点なのも読みやすかったです。
新政府、特に大久保に与してからの暗躍は史実ではないにしてもありえそうだし、川路の最後に関わる架空の人物も伏線が効いていて、物がガタリとして面白かったです。
それにしても大久保や黒田の西郷に対する後悔する姿や伊藤博文の冷淡さや、斉藤一のかっこよさは他著者の作品以上に際立たせていたように思います。