あらすじ
「これは日本人研究者によるノーベル賞級の発見だ!」
元グーグル日本法人社長 村上憲郎
実現は早くても21世紀後半と言われていた「量子コンピュータ」が突然、商用マシンとして販売が開始された。
作ったのはカナダのメーカーだが、その原理を考え出したのは日本人研究者。
しかも、人工知能に応用でき、グーグルやアメリカ政府も開発競争に参戦、NASAやロッキード・マーティンも活用を開始した。
どのようにして量子力学で計算するのか。
どのようにして人工知能、特に機械学習やディープラーニングに応用できるのか。
そして、どうすれば日本の研究が世界をリードできるか。
画期的な量子コンピュータの計算原理、「量子アニーリング」を発案した本人が語る。
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Posted by ブクログ
量子アニーリングの発案者でもある西森氏が書いた、量子コンピュータに関する基本書。
最近の北米の動向や今後の日本の取るべき方向性についても少し触れてある。特に6章は至極納得感がある章。
内容、文章ともに明確で、量子コンピュータについての興味が深まる1冊。
量子コンピュータが汎用化されると、どういう良い事が起こるか、知識のない消費者に対してもわかるように書いてあるので、おすすめ。非常に面白い。
Posted by ブクログ
「本書では、量子コンピュータがどのようにして動き、どんな計を行っているのか、そしてどうやって人工知能に応用できるのかについて、専門知識がない人でもなるべく理解しやすいように解説する」という言葉に惹かれて読んでみた。
が、物理の知識ゼロの自分にはやはり難しかった。なんとなくわかったような、わかりにくいような。。
他方、「第6章 日本が世界をリードする日は来るか」では、日米の研究者のマインドセットや研究環境の違いにも触れ、新たな分野の研究や起業に挑戦する若者が増えてほしいというメッセージも伝わってきた。
Posted by ブクログ
量子コンピュータについて。詳しい作動原理などの話はないので物理に詳しくなくても読める内容。ただ、著者の一人は昔から量子コンピュータを研究している人のようで、自分の業績への言及が過剰なのがちょっと目立つに
・グーグルの量子コンピュータは現在最高性能のスパコンが一万年かかる計算を3分で完了するんだそうだ。とはいえ、グーグルの量子コンピュータで計算可能な問題は巡回セールスマン問題に代表される組み合わせ最適化問題という特殊な問題に限られる。もともと量子コンピュータといえば量子ゲート方式という汎用のコンピュータが開発されたいたのがここ数年急に実用化されるようになったのはD-Waveが開発を進めている量子アニーリング方式というもの。ただし、D-Waveによるコンピュータの量子ビットは2007に16、2011に128、2013
に512、2015には1000を超えている。
・量子アニーリング方式の詳しい説明はない(されても理解できなそう。。。)が、ニオブの小さなリングを冷却すると、右回りの電流と左回りの電流が重ね合わさった状態を量子ビットとしているらしい。
・量子コンピュータはエコでもある。2013年現在、世界の発電量の10%がITによって消費されている。グーグルだけでも20万軒分の家庭電力量に相当し、検索一回あたりの消費電力は60W の電球を17秒間光らせる量になる。