あらすじ
「愛している」という言葉は、恋愛小説やドラマなどでは陳腐なぐらいよく使われるフレーズである。実際生活においても、私たちはこの言葉を、便利なものとして、さまざまな場合において使っているのではないだろうか? しかし、突き詰めて考えてみれば、「愛」とは、いったいどういうものなのか? このことは、古今東西の哲学者や作家たちが、それこそ大まじめに追及してきた、「人生における究極のテーマ」なのだ。私たちは、物事の価値観が揺れ動いている現代において、このテーマについていかなる考察をしておかなければならないのか。このような問題意識にたって書かれたのが、本書である。「男女の愛」から、より広い意味での「人間愛」にいたるまで、さまざまな角度から深く検証と考察を行い、読者の人生観や恋愛観、価値観にまで大きな揺さぶりをかけて行く。魅力にあふれた人生論である。
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Posted by ブクログ
・愛するということは技術であり、受動ではなく能動的に与えていくもの
・豊かな人というのは、沢山持っているのではなく、与えるひと。失う事を恐れている人は、どんなに所有していても貧しい人である。
・与えるというのは、自分の中に息づいているもの=自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなどあらゆる表現を与える
・愛の定義の一つとして「愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために自己を拡げようとする意思である」。自他の成長という目的が明確であり、そのための「自己の拡大」という方法・手段が明示され、愛は意思である事を強調していることがこの定義の重要な点。
・愛する人のために生きる人生であれば、そのために自分がどんな目にあおうとも、気持ちの上では苦痛など存在しなくなる。
【所感】
愛を与える技術とは、まずは自分自身の価値を認めて自身を持ち、自己肯定感を持つことから始まる。そのうえで他者に与えて自分に返り、また愛を与えるという愛の生産活動を行っていくことを目指す。怒りなどの感情は愛には不要。愛の技術には段階があり、危機→未熟→標準→成熟→完成→超越がある。(超越は人間を超えているので除外) 自分がどの位置にいるか、恐らく未熟から標準の間なのかもしれない。 他者への無償の愛=授与愛といった成熟レベルまで自己を高めていくことを目指していく。
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恋愛の『愛』というよりは、博愛の『愛』、汝隣人を愛せよの『愛』。
過去の偉人、哲人達の文言を多く引用しながら、その愛とは何かについて論理的にアプローチを試みる。
他の方のレビューを読むと賛否両論あるようだが、自分のその行動は、単なる幻想か、自己欺瞞なのか。読み進めるにつれて、浅はかさに胸が痛くなる。人間論として、改めて読み返したい良書。
文中に引用箇所としてよく出てくる、トルストイも追って読んでみたい。
Posted by ブクログ
私たちはどこまで愛せば許されるのか、という問いに答えた本
宗教、哲学、心理学、医学などの古今東西150冊以上の本から導き出された愛の定義と、そこから導き出した愛の成熟理論。
愛という事に対しここまで明確に類型化したのは他には無く、歴史的名著。
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飯田史彦先生の「生きがいシリーズ」などたくさんの著書の中で一番好きな本です。
哲学好きにはたまりません(^_^;)
この本はもともと著者である飯田先生ご自身が、「自分は愛していると思いこんでいるだけはないのか?」と言うようなことで悩んで精神的に病まれたのをきっかけに、「では愛について研究しよう」と始まった研究結果の1冊なんです。誰しも「愛しているのか、愛していないのか、本当の所はよく分からない・・・」「愛ってなに?」「自分は愛せない人間かも・・・」とか何かしら恋愛とか愛について悩んだ事があると思いますが、これを読むとものすごく整理されます。深いです。
Posted by ブクログ
古今東西の数多の著書の引用を用いて、「愛」というものを考察する書。
自分を愛することは他人を愛すること。
他人を愛することは自分を愛すること。
そして、それは人類を愛すること。
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「愛」について様々な切り口、論点から考察された研究書。
普段ここまで「愛」について考えたことはなくて、とても興味深い内容でした。
恋と愛の違いとか、なんとなく感覚的にそうじゃないかと思っていたことや、
潜在意識の中で疑問に思ってようなことが核心を突く形で語られています。
引用がやたら多く、ちょっと非科学的な内容も含まれているけど、それもまた面白い。
手元に置いといて機会があるたびに読み返しなくなるような一冊。
Posted by ブクログ
過去に、思考や理屈で「愛」とか「生きる意味」を探求していた時に、とてもお世話になった本です。
飯田先生の本は、見えないものを全く信じていなくても、理論で、この考え方の方が有益だ、と、スピリチュアルな真理と同じところに、辿りつかせてくれる、伝えてくださっている、その技術・力量に素晴らしさがあると、私は受け止めています。
左脳系の方々へ、強くお勧めします。
Posted by ブクログ
【目的】
【引用】
【感じたこと】
【学んだこと】
「この人を愛そう」と決断して永続的な意志を持って「愛」を継続する。
「愛おしむ」決断、意志、能力
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参考文献の整理として
・拡大鏡としての結婚
・パートナーの六つの条件
1.人間として成長しようと努力している
2.素直な感情表現ができる
3.高潔な人格をもっている
4.人間的に成熟しており、自分に責任をもてる
5.バランスのとれた自尊心がある
6.人生にポジティブな姿勢でとりくんでいる
Posted by ブクログ
とても論理的で、現実に根ざした「愛」の表現です。
歴史上の様々の人物の説く「愛」を取り上げ、飯田さん自身が
解説をくわえています。
私にはちょっと・・・難しかったかなぁ。
読んで下さる方、大歓迎です♪♪