あらすじ
学園紛争に揉まれながらひたすらに読書を愛した十代から、今日まで。「私は未だに、あのころの自分をそっくりそのまま引きずりながら、やみくもに舟を漕ぎ続けているような気もする」小池真理子が明かす、運命の瞬間、創作の秘密、小説と男への愛、人生への情熱。瑞々しい言葉の連鎖に浮かび上がる「生」の航跡が、静謐な輝きを放つエッセイ集。文庫化に際し「時の水脈」を収録。
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Posted by ブクログ
中身を見ずに手に取った。随筆集だとは知らず,小説だと思って買いました。
なんどか飛ばし読みしているうちに、
小池真理子 と 藤田 宜永 が別姓結婚または事実婚であることを知りました。
小池 真理子 と 藤田 宜永 が2人とも直木賞を取っていたということを知りました。
何も知らなかった人間にとって、本書は小池真理子を読み直すのにとても役立ちました。
どんな本を読んでいたか,三島由紀夫をどう思っていたか、などなど。
世代が近いと感じるか、世代が遠いと感じるか,人それぞれ。
本としてくどいと思うか,繰り返し書いていることは変わらないことだと思うか。
時間による変化があるか、時間を貫いた共通部分があるか。
「闇夜の国から」は井上陽水の歌から取ったとのこと。
カミュ,裏と表
モラヴィア,軽蔑,倦怠,1934年
デュラス,愛人
エリュアール,詩集
サガン,冷たい水の中の小さな太陽
ウラジミール ナボコフ、ロリータ
などなど、読書遍歴を知るのによい。
森 瑤子 さんが日本のサガンとのこと
アニーエノール、嫉妬
ジャンフィリップ、愛しあう
開高健、夏の闇
倉橋由美子、暗い旅
三島由紀夫,獣の戯れ
坂口安吾,青鬼の褌を洗う女
高橋和己
などなどへの思いが続く。