あらすじ
【第4回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作】大規模な環境変動に備え、巨大な城壁都市〈シティ〉が築かれた近未来の日本。壁の外側で育った少年・片桐音也はゲーム〈フラグメンツ〉で賞金を稼ぎ、内側に入ることを夢見ていたが、資金不足で勝ち進めずにいた。そんな彼の日常は、少女・雪子と人工知能コーボとの出会いで一変する。力を合わせてランキング戦を駆け上がる音也たちは、徐々に壁の内側の真実に迫っていき――。
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Posted by ブクログ
世界の終わりの壁際に
ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作品。
読み始めて、どういう世界なのか、何があったのか、いや、何が起こるのかとストーリを追っていくうちに、気がついたら市外のごみごみした廃墟を駆けていた。とても疾走感があり、先へ先へとページをめくりたくなる。
主人公片桐とヒロイン雪子の出会いは全くの偶然でありながら必然にも思える。そして妙に人間くさい人工知能もとい電脳のコーボとも。
常に生死の境をすり抜けていく緊迫感の中で、片桐の最初の相棒である融通の利かない人工知能クリエや余計な気まで回してみせる電脳コーボとの会話は楽しい。
登場人物はどの人間もしっかりと輪郭を持っていて読み応えがあった。実は私は愚かで卑小な正義感を振り回す藤堂が気になって仕方ない。と思うのも自分の中に藤堂のような部分があるからだろう。
世界は終わるかもしれないが、片桐と雪子の未来はまだずっと続いていくに違いない(電脳コーボもね)
Posted by ブクログ
導入が分かりにくい。
この本を買ってから読み終わるまで2年は優にかかったのでは無いだろうか。
それほど最初で読む気にならないのだ。
だがしかしそれは最初だけである。
ある程度読み進めていくと世界観に惹かれ始めて来るようになり、続きが気になりページをめくる手が止まらなくなった。
この本は一貫性はあるように感じるが、すごい高校生大学生が書きました感、がハンパない。
何故だろうか。
近未来物や(少し)ディストピア物が好きな人にオススメする一作である。
sfを読んだ感はかなり得られると思う。
Posted by ブクログ
登場人物の内面や言動が少年マンガや少女マンガのそれを超えていないどころか今時の漫画にも余裕で劣る子供っぽさ。著者の内面が子どもなんだろうなーと思う。野望をべらべら話してくれる悪役も子供っぽく、アウトロー組織が実は正義の味方だったって話も子供っぽく、ゲームの動きを実践に生かすという発想も子どものもの。
ただ、なんとなく最後まで読まされてしまう勢いはあった。でも、勢いだけだとすぐに消えてしまうと思う。大人になれと言いたい。
Posted by ブクログ
フラグメンツの力を使って這い上がろうとしていたりして、大虐殺が起きたあたりまでは面白かった。
壁の外も酷いけど中も違う意味で酷い、でも俺たちは壁の中で頑張るぞ!的なオチには唖然。
さっきまで壁に憧れていたのも、自分たちを犠牲にして繁栄していると知った今、壁を憎んでいるのも分かる。
でもあの最後は解せない。
途中から主題が変わってきているような気がした。
でも設定自体は好きだった。
フラグメンツは自分もやってみたいと思った。ちょとウィクロスみたいでとても楽しそう。
壁の中の人々の様子は現代を生きる自分たちにも当てはまりそう。
余談だが、壁の中や外と聞くと某進撃漫画を連想してしまう。