あらすじ
ママの地位は子どもの成績で決まる?!
「お受験」という名の、母親たちの代理戦争。この前まで自分が誰かの子どもだった母親たちが、突如として一人の人間を育てることを課される。とまどいを周囲に悟られないように、孤独な子育てと戦う母達の下剋上の物語。
大手下着メーカーで広報として働いていた香織は、妊活に励むために慣れ親しんだ会社を退社することに。家でゆっくりしながら、夫との時間を作ろうと考えていたのだが、母校「聖アンジェラ学園初等部」の広報を手伝って欲しいと校長からお願いされる。
広報の仕事だったらお手のものと軽く考えていたのだが、子どもの受験に挑む母親たちの思いは、下着を購入するお客さんとは全く違っていた。母親同士の駆け引きや足の引っ張り合い、その一方で子を愛するという一筋縄でいかない母たちの思いに飲み込まれていく。子どもを持つことは幸せ?それとも地獄?悩んだ母親たちが出したそれぞれの結論は?
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Posted by ブクログ
小学校、中学校のお受験のお話。タイトルの下克上はあまり感じなかった。お受験を経験させることないまま子育ても終えた身としては、他人事ではあったけど、興味深く読みました。 近所にずっと塾三昧だったお子さんのママが、受験直前に塾をやめ、お受験もやめたんだと言っていたのを、舞花と逸美のストーリーで思い出しました。その家族にとって、何が最適かということだなと思います。子供は親の作品という怖い勘違い。 お受験がその家族に合う物であればいいと思いますが、間違った考え方だけは避けなければいけないと思います。
Posted by ブクログ
楽しく読めました。
けれども、ステレオタイプな人ばかり出てきて、お話に深みがないかなとも感じました。
主人公の小川香織は、働く女性。けれども、夫の理解がなく仕事を辞めて、母校の聖アンジェラ学園で臨時職員として広報の仕事をすることに。
香織は自身が慶応を出ていて高学歴だが、それを鼻にかけない女性。その反面、姉は学歴至上主義で、子どもたちの受験に熱心に取り組んでいる。
香織の夫は、わかりやすい古い日本の夫で、仕事に理解がない。姑は、わかりやすく名家の奥様だ。また、姉の子の塾に通うお母さんたちには、わかりやすいボスママがいる。
というように、わかりやすく、あるあるって感じで読めるのだが、物足りない。それは、それぞれの人が抱えている(であろう)悩みが深く描かれていないせいではないかと思う。
最後に、学校の広報というのは、大事な仕事なので、臨時職員がこんな風に関わっているようでは、学校自体ダメなのではないかと思った。