あらすじ
グローバル経済に席巻され経済合理性ばかりを追及した東京などの都市の建築は、町並みを無機的で均質な風景に変えてしまった。そこでは、地域独自の歴史文化や自然とのつながりは失われている。著者は近代主義的な建築に限界を見出し、地方にこそ人と人をつなぐ、自然環境と調和した新たな建築の可能性があると考えている。岐阜県「みんなの森 ぎふメディアコスモス」や愛媛県「大三島プロジェクト」といった著者の最新の建築プロジェクトの紹介を通し、脱成長の時代の新たな建築のあり方を提案する。【目次】はじめに/第一章 都市を向いた建築の時代は終わった/第二章 近代主義思想を超えた建築は可能か/第三章 地方から発信する脱近代建築――岐阜「みんなの森 ぎふメディアコスモス」/第四章 建築の始原に立ち返る建築――愛媛「大三島を日本でいちばん住みたい島にする」プロジェクト/第五章 市民が考える市民のための建築――長野「信濃毎日新聞社松本本社」/第六章 歴史文化に根ざした建築――茨城「水戸市新たな市民会館(仮称)コンペティション」/第七章 みんなの建築/おわりに
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Posted by ブクログ
タクシー代で、本は買える。これからの建築をきっかけに読んだ伊東豊雄氏の本。近代的な建築が及ぼす都市東京に対する問題提起。本当の豊かさとは何か。その突破口は地方にある。建築とはトップダウンで建物を作ることではなく、コミュニケーションを生み出すこと。みんなで作ったものだと、そこへの人の関わり方が変わってくる。自然と共存していた江戸時代。自然から人工的に隔離されている現代。これからの建築の第一歩として大三島やぎふ、せんだいでの伊東氏の建築の発想を軸にこれからの建築を語っているほ本だった。