【感想・ネタバレ】バイ貝のレビュー

あらすじ

日々の生活の中でたまった鬱を、日々の生活の中でいかに散ずるか。「物」を買い、使い、また買い、使う。消費社会で生きる私たちの姿をあますところなく描く。超言語激烈文芸作品。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 カネを稼ぐのは辛く苦しく、カネを遣うのは楽しくて気色がよい。カネを稼ぐために蓄積した鬱を霧消するために、主人公はホームセンターで鎌を買い、中華鍋を買い、はたまた宝くじを買い、結果なぜか鬱が溜まった。
 他に鬱を消す方法がないかと趣味を持とうとする。カメラにのめり込んでからは、鬱の計算もしなくなるのだが、最後に行き着くのは「カメラを使うたびに鬱が溜まっていく」という事実であった。最後の降り積もる鬱は最高に美しい!!

 資本主義の世界では、何でもかんでも価値の尺度は金額で換算される。お金をかけさえすれば楽しいことが待っているのか。お金さえあれば幸せなのか。そういうものから解放されたくて東京を去った私にとって、これはなかなかに考えさせられる小説でした。何はともあれ、この本を読むことは非常に愉快な経験で、私の鬱は随分霧消しました!

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2018年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日々降り積もる鬱を昇華する為に奮闘する主人公。
今度こそ「こます」と決意した行動が更なる鬱を生む。
この負の連鎖に目を覆いたくなる。
紆余曲折の果てに辿り着いた境地は
「静かに静かに鬱が降り積もっていた。私はそれをもはや美しいと思うようになっていた。」
その一文に救われた。
小さな愉悦を感じ減鬱しようとする行為。主人公は大変にアクティブだ。
負の連鎖からの脱却のきっかけは、最初から身近に有った事。
人生ってそんなもんだよね。笑

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2017年06月30日

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