あらすじ
夏休み直前の登校中、高校一年生の涼太は女の子にトマトを投げつけられる。その女の子・久野ちゃんが気になるが、仙台からきた彼女には複雑な事情があるらしい上、涼太と因縁のある野球部の西澤と付き合っているという噂。一方、元カノは湿っぽい視線を向けてくるし、親友カップルはぎくしゃくしているし、世界は今年で終わるみたいだし――。どうする、どうなる、涼太の夏!? 胸キュン青春小説!
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Posted by ブクログ
最近何故か青春ものが続く。主人公・涼、夏休み直前の登校中、同じ高校の女子・久野ちゃんにトマトを投げつけられる。久野は野球好きの弟が中学でいじめられたことで仙台から転校してきた。久野が野球部の西澤と付き合っているという噂。涼の元カノの微妙な距離感、親友カップルの関係もおかしい。涼は自分では気づかないうちに西澤や身近な同級生に心に傷を与えていたことを知る。青春時代の繊細な心情、微妙な距離感、疑心暗鬼、このすべて青春なんだ!ラストの涼と久野が対峙する場面はドキドキした。畑野作品の短文だけど鋭い描写を堪能した。④
仙台の強豪野球部というと2校。仙台育〇と東〇。悪いイメージされちゃうのは困ってしまう。。。
Posted by ブクログ
河村さんと富永くんのお母さんが不気味で怖い。ただ、2人みたいな人っているんだよな…出会ったことがある気がする。
西澤くんには幸せになって欲しい。河村さんから逃げて〜!笑
Posted by ブクログ
中原涼太
高校生。一年八組。付属中学から内部進学で高校に入った。元野球部。図書委員。
有村
涼太の担任。数学教師。もうすぐ四十歳。
松ちゃん
司書。涼太が中学に入学した時、大学を卒業したばかりの新人で入ってきた。フランス系のハーフみたいな顔立ちをしていて、学校内で一番の美人教師と評判が高い。
青野
涼太と同じクラス。内部生。元野球部。駅前で本屋をやっている。
この世の終わり
化学教師のあだ名。
和尚
和田尚人。一年三組。内部生。元野球部。
久野愛美
涼太に似ている。トマトを涼太に投げた。仙台からきた。水泳部。
河村
中学二年生の時に二週間だけ付き合った涼太の元カノ。外部生。
富永浩樹
学校に来なくなった。内部生。中学二年の二学期に帰国子女枠でドイツから転校してきた。
西澤
体育クラスの十組で野球部。涼太とリトルリーグの時に同じチームにいた。
望月
隣のクラスの女子。青野の彼女。涼太とは幼なじみ。
涼太の姉
腐女子。一回り年上。
青野結
青野の妹。小学六年生。
久野雄基
愛美の一つ年下の弟。中学時代に涼太と野球の試合をした。
Posted by ブクログ
どうしたらいいのか、夏の嵐のような恋。
登校中にトマトを投げつけてきたのは、高校から入学してきた久野。因縁のある野球部の西澤、ひそかに憧れている図書室の松ちゃん、親友の青野、担任の有村先生、不登校の富君、幼馴染で青野の彼女の望月、中学生時代の元カノ河村さんなど、涼太の周囲は穏やかなようで複雑に絡み合っている。久野が気になる涼太だが、彼女の抱えているものは、どうやら大きなもののようで――。
後半に向けて、こじれたりほどけたりする涼太を取り巻く人間関係が面白い。問題なのは涼太の鈍さである。彼はあまりにも健康的で、しなやかで、相手が傷ついていることに気付かない。傲慢と言えば言いすぎだが、西澤の態度など、なるほどと思ってしまうところもある。しかし、この物語で、涼太を含め、誰も大きく変わろうとはしない。久野は仙台に残る弟に会いに行こうとし、また西澤の想いを受けるというが、それもひとつの逃げである。涼太はそれを指摘して、自分を選ぶように言うが、覚悟というよりは、それまでの自分を貫いているとも思える。
けれども、だからこそ、この物語はすとんと心に入ってくる。劇的にすべての状況が改善することなんて、なかなか現実には起こりえない。あと少しで世界が終わる、と言われても、現実的には信じられないけれど、それを口にして理由にして、色々な懸案事項を進める態度は自分にも覚えがある。季節が夏なので、世界の終わりは近づいていてもまだ実感が伴わないので、ラストシーンはさらっとしている。まだまだすることはいっぱいあり、悩んだりくやんだりして、進もうとできるのだ。