あらすじ
ある山間の寒村に伝わる風習。この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。くりぬかれた穴には白米を盛り、親族で食べわけるという。この事から、顔を抜かれた死者は【どんぶりさん】と呼ばれた──。 スマホにメッセージが届けば、もう逃れられない。【どんぶりさん】があなたの顔をくりぬきにやってくる。脳髄をかき回されるような恐怖を覚える、ノンストップホラー。第23回日本ホラー小説大賞【読者賞】受賞作!
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Posted by ブクログ
ある村で行われていた、「夜葬」。それは、非常に不気味なものだった。死者の顔面を抉り取り、穴に炊いた飯を入れ食らうというのだ。外に持ち出してはいけないとされたその葬式が第三者によって持ち出された時、呪いともいうべき形で人々に襲い掛かる。この作品を読み終わって一番最初に思ったのが「なんて理不尽な話なのだろう」という感想。ホラーなので、だれも助からない、理不尽に死んでいくのはよくあるし、よくわかるのだが、これはひどい。リングを初めて読んだ時の気持ちに似ている気がするが、これはもっとひどい。何が酷いのかというと、恨み辛みを持った幽霊が明確に出てこないこと。普通こういう呪い(呪いと呼んでいいか少し悩むが、便宜上呪いと呼ぶ)は核となる人物がいてそれが恨みを募らせ無差別に人々を襲うというのがオーソドックスだが、これはあくまで「夜葬」というシステムの暴走だと感じた。一応昔「夜葬」を施された村人たちが、重要なものであるそれを持ち出され、浮かばれずに出てきた可能性もあるが、読んでいてそういう印象は受けなかった。これがシステムの暴走だと仮定するならば、「夜葬」の餌食になった人達は、感情を伴わず形式的に殺されたことになるだろう。それは「誰でもよかった」と供述する通り魔にやられたようなもので、やりきれない。こう思うのは、作中に出てくる三緒、袋田に情がわいたからかもしれないが……。
Posted by ブクログ
シャベルで顔を…っていうのを想像するだけでちょっと怖かった。恋愛脳の私としては三緒ちゃんと袋田さんは助かるのでは……とも思ったけど、それはなくまた物語は続いてゆく…みたいな終わり方、ホラーとしては納得。
ただ、ストーリーが短編の続き物みたいな感じで読みづらかったかなー。怖かったけど。
Posted by ブクログ
誰が犯人なのかわからずどんどん殺されていくのが怖かった。記者の2人がハッピーエンドとはいかない感じもホラー要素が優先されていて面白い。誰も幸せにならなかった‥
Posted by ブクログ
何年ぶりかのホラーです。
裏表紙の内容紹介を見て興味を湧き、久々に読んで見ようと思いました^^:
こちらは重版されてて、夜葬って言うよりも『どんぶりさん』って言う方が通じやすいみたいです。
ある山間の寒村に伝わる風習で、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔い、そのくりぬいた顔の穴に白米を盛り親族で食べ分けるという風習。 そこから『どんぶりさん』って呼ばれた。
その村のことを書いた『最強スポットナビ』を絶対に見てはいけない。
見たら最後そのものからは逃げられない。 ((;゚Д゚)ガクガクブルブル
現代的にスマホを使ったメッセージなんだけど、これは別にスマホでなくてもってところが本中にもあります。 よくホラーって昔からその時代にそったハイテクが媒体になって、電話から 『・・・・・・』 とか テレビ画面から 『・・・・・・』とかありますよね!
でもこれって 「あちら」 が実体のないものだから、その時代でもっとも伝えやすい媒体を選んでるだけで、実はなんでもいいのかもって思えてくる。
昔だと、電話もテレビもスマホもないから、水や木や墓や井戸だったのかもwww
バーチャルって言うこちらでも実体のない世界が拡がってきたから、そのうち 「あちら」 との境もなくなるかもw
さて、話しは逸れましたが、ある番組制作会社があちこちで起きてる顔無し殺人の番組をテーマにしたことから始まり、次々と犠牲者が始めは関わりたくないけど、しぶしぶ担当になった新人の「三緒」と バカだが体力自慢の「袋田」が真相にに迫って行き、なんとかこの連鎖を断ち切ろうとするが・・・
ホラー特有でハッピーエンドってことはないんだろうけど、個人的には犠牲になってほしい人(こんなこと言っちゃいけないんだけど)が一人残り、頑張った「三緒」さんが・・・ 展開が早くて吸い込まれるように読めました。
Posted by ブクログ
正直に言って、怖くはなかったなぁ。新人作家さんだからなのかもしれないけれど、話の流れをいくつにも分けないほうがよかったのに……。
もともとの夜葬の説明書きが冒頭にあるけれど、実際に起こる事件との細かな差異が気になってしまって、『どんぶりさん』のキャラがギャグマンガのようになってしまった。夜葬って本当はどんなことなのか? なんで、こんな中途半端に事件が始まってしまったのか、説明がないのは苦しいわ。(コンビニで本を押し付けられただけではねぇ。しかも読まなくても本を持っているだけで襲われるのがどうしてなのか、意味がよくわからなかった)もっと村のことや風習そのものに視点を置いて、丁寧に書けば面白かったと思うんだけど。スマホで呪いが届くのは「リング」のビデオテープと同じだしねぇ。
期待していただけに、なんだか納得いかない~。