あらすじ
東北にある、バカでも入れる小さな美大。
山の中にあって女子がほとんどの学校である。
壁画の千葉と、日本画の本吉と、洋画の藤本は、
同学年の気の合う仲間。
冬の寒さも、制作の厳しさも、学生の楽しさも、
将来への不安も分かち合いながら、共に過ごしている。
真剣に創作をしながら。
感情タグBEST3
匿名
心に染み込んでくる漫画
すごいです。ポロポロ泣きました。好きなシーンに栞をつけながら読んでいたら栞だらけになりました。優しくて、美しい絵も素敵。「不安はね、たった一本の、丁寧な線で倒せるんだよ。」という言葉そのままに。
モディリアーニ
友人の勧めで読みました。
作者の経験がもとになった作品のようで、東北の美大に通う3人の話です。
人と比べて卑屈になったり将来を不安に思ったりしながら、それでもひとつずつ前に進んでいくしかないのは、美術専攻ではなくても経験があります。
ところどころに東日本大震災の影を感じさせる描写があり、いかに人の心に影響を与えたか考えさせられます。
特徴的な画風で、特に玉のような涙の描写がすてきです。
もの作りへの初期衝動を思い出させてくれる純粋な作品。あまりにも純粋すぎて絵柄とも相まっておとぎ話のような空気を纏っている。そんな中、不意に挟み込まれる震災エピソードの圧倒的な無力感。永遠に美大生ではいられない。だからこそ今この瞬間を愛しく思う、ぎゅっと抱き締めたくなる一冊です。
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ツイッターの「キリンさん漫画」で相澤いくえさんを知り、漫画を購入しました。
読んでいる中で、これはきっと相澤さんが何度も何度も自分の中で考えてきたことが現れている言葉なんだろうなあと分かるくらい、言葉が実直で胸に響きました。
私も美大という同じ境遇に身を置いていて、他人を妬む心や自分の作品に対する思いなどで頭がゴチャゴチャになることが多々あるので、キャラたちのまっすぐな言葉が本当に、透き通ってキラキラしていて心を揺さぶられました。
ご自身の考えをこんなに素直に言葉化できる人は、そういないと思います。とても良い漫画でした。
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制作に恋に将来の不安。泥臭く頑張る3人の美大生の物語です。舞台が東北の美大ということで芸工大かと思いきや、メディアテークで卒制展をやってるので生文大っぽいです。絵柄と物語の雰囲気が合っていて、近年増えつつある萌え系美術漫画とは異なるこの作品ならではの魅力があります。彼らの卒業を見届けたいです。
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まわりで評判がよかったので購入。
とてもよかった。
まだ何者でもない自分が、何者かになれるのかどうか…夢を叶えられるのかどうか…という不安を抱えながらそれでも楽しく日々を過ごしている様子がみていて楽しい。これって美術大学に限らず、学生一般若者一般に共通することだよね。だから美術に縁のない人でも共感できるのかも。
ひとつだけ、女性キャラの判別がつきずらかったのがちょっと気になったかな。
あと、二宮敦人さんの『最後の秘境 東京藝大』をあわせて読むといろいろと楽しいかも。
けっこうすき
ゆるい絵だと思って気抜いてた。
抽象的なんだけど
なんだか芯を捉えてるような感じ。
絵のこととか分からないけど
絵画見てるのに似てる気がする。
ところどころ、泣ける。
彼らなりのブルーピリオド
学校の差と言ったらアレなんだけど、ブルーピリオドってみんなすごい一流の卵ばっかじゃないすか。ただ、こっちは、そういった高みまで登れなさそうだけど美大は卒業する、みたいなメンツで、また違った味わいのある作品です
Posted by ブクログ
相澤いくえさんの作品『モディリアーニにお願い 』の1巻を読んでみた。 主人公たちや女性キャスターが可愛い。(特に彫刻の川下さんとうるしの先生)そして、面白い、美術のことも少しずつ興味が湧いてくる。2巻も気になる。
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出来過ぎのストーリーかもしれない。
けど、この中にはものを作ることの素晴らしさと高揚感が詰まっている。まだ悩みがない時のまっすぐさが。
それを思い出すために読むんだ。
Posted by ブクログ
〇美大生の本気、ひたむきな大学生活に思わずうるっと
東北の小さな美大に通う、千葉・本吉・藤本。
クラスに3人しかいない男子が、美術と本気で向き合い大学生活を苦しみながらも謳歌する物語。
1話。千葉は泣く川下さんを見て、気づくシーン。
「頑張り続けるのはつらい」「頑張らないと、評価してくれた川下さんに失礼だ」
「みんな頑張ったんだ。頑張ったから結果が出たんだ。」
「努力の仕方が分からないなんて言い訳だ。」「結果が出るまで頑張るだけだ。」
作者が頑張らなかったら、こんな言葉は主人公に吐かせられない。
きっと努力の人なんだろうな。
表紙の軽いタッチ・明るい色に対し、中の絵は気迫や悲壮感、焦りが伝わってくるコマが多いから、笑顔のシーンがとてもよく映える。手書きなのでお世辞にもキレイとは言えないが、それでも思いは伝わってくる。
モディリアーニとは、イタリアの画家であり彫刻家で、パリ派の一人に数えられるという。
死後、作品の注目を浴びたモディリアーニ。
西洋美術史には不得手なのでなぜモディリアーニにお願いするのかは正確に推測できないが、パリの芸術家たちがモンパルナス地区にいたことから、大学生だった自分や自分たちと何かモディリアーニの姿を重ね合わせたのだろうか。
将来、自分は死ぬ前に、モディリアーニのような才能を輝かせられるだろうか。
どこか不器用だけど、ひたむきな彼らの姿に何度か、うるっときてしまう。
作者はモディリアーニに、何をお願いし、何を叶えられたのだろう。
千葉たちの今後が気になり、2巻からも目が離せない。