あらすじ
相思相愛=めでたしめでたし、と一筋縄で行かない「家族」という枷。再婚した両親だけではなく、親友にも気を遣いながらの交際開始!?ますます前途多難な第6巻。
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Posted by ブクログ
前巻ラストを読んだ段階だとあの急場に稔が居合わせた事はせめてもの慰めになった、と捉えていたのだけど、その後の流れを見るとせめてもの~なんて程度ではなくてガッツリと救いになってる…!
郁乃へのフォローも場の纏めも稔が居なければどうにも成らなかったレベル!ただまあ、稔が巧く纏め、おまけに亜麻音の存在も思い出せてしまっただけに、既に一線を越えている直耶が自分の現状について説明せずに済んでしまったとも言えるんだけどね……
直耶と亜麻音の関係は郁乃が危惧し稔もある程度は気に掛ける程になった。ただし、肝心の2人がどの程度まで進んでいるかという点は郁乃と稔には見えないまま。何故ならば直耶と亜麻音の逢瀬は家庭内で行われるから
ただし、その触れ合いだって建前としては姉弟としての在り方を意識してはいるもの。だから時折というには多すぎる頻度で直耶が建前を崩してしまうのが現状の2人にとっては危険な話で
映画鑑賞のシーンなんかは顕著だね
一緒に映画を見るのは家族らしい光景。でも、つい手を繋ぎ始めてしまう姿は姉弟から逸脱している
特徴的なのは亜麻音が言うように見ている映画がラブロマンスでは無い点だね。映画の雰囲気に当てられて、なんて理由もなく2人は互いを触れ合っている
それらの行為は基本的に親が感知しない時間帯に行われていたから秘密の関係に留まっていた。けれど、この巻ではその秘密というのも危なくなる様子が増えてきたね
親がすぐ近くの部屋で寝ている時に過剰に触れ合って、入浴前の短い時間でも相手を求めて…
今の直耶はどう考えてもリミッターが外れかけている。もっと言えば若さが暴走している。そんな”男”の傍に居るのは問題でしか無くて。だから亜麻音が少し直耶を避けてしまったのはもはや当たり前としか言い様がない
そうなれば必然的に郁乃と交流する時間が増えるのだけど…
あの告白は辛い…。望みのない郁乃としては「友達として」という文脈でしか好きを伝えられない。奇跡を願ったとしても亜麻音から「友達として」以上の応えは返ってこない
郁乃としては亜麻音との関係を進展させるなど不可能。それでも亜麻音を大事に思うから、そして蚊帳の外に居るなど受け容れられないから彼女は自ら茨に身を晒し続けるのだろうな……
リミッターが外れかけながらも直耶は感情制御に悩んでいる。郁乃も苦しみながら亜麻音との関係に悩んでいる。稔は稔で両者の取り持ちに心砕いている
その関係で肝心の亜麻音は周囲で何が起こっているかを正確に把握できないままに流されている感が有ったのだけど、やはり亜麻音は亜麻音で悩んでいたようで
直耶の方が顕著だったけど、それを受け容れる亜麻音とてリミッターが外れかけていたのか…
でも、駄目だよ…。そんな話をお猿さんに成りかけている直耶に話したりしたら(笑)
遂に明確にされてしまった「好き」の言葉、亜麻音から求めてしまった秘密の行為
郁乃と稔が2人の関係を気にしても行われるのが家庭内だから郁乃達には何が行われているか見えやしない。だとしたら、同じ家庭内にいる茅子が火照った亜麻音を目撃してしまった事は2人の秘密が危険信号を放つ始まりとなったりするのだろうか…?
本編に絡んでくる要素かまだ判らないけれど、番外編ですんごい爆弾が放り投げられてません……?
ヒロインが明確に定められていてくっつく事に多少程度の問題しか無い恋愛作品なら物語に波乱を巻き起こす事はないのだろうなと思うのだけど、本作みたいに直耶と亜麻音がゴールインする事に問題がある恋愛作品の場合、横からやって来る存在って意外と油断成らないんだよね……