あらすじ
六本木の路上で身元不明の女の絞殺死体が発見された。
事件直前、近くのバーで偶然被害者と居合わせた商社勤務の亜希は、唯一の目撃者として捜査1課にマークされてしまう。
外事警察も捜査に乗り出し、被害者は中国人女性・静蕾と判明。しかし彼女には腹上死事件の重要参考人という別の顔があった……。
女の人生と国家権力が交錯する傑作警察小説。
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Posted by ブクログ
この作品を読んでいると…何の楽器でも構わないが、“ソロ”でドンドンと様々な演奏をしていて、その背後で入れ替わりに幾つかの違う種類の楽器が、多少編成も変えながら演奏をして、そうやって出来上がる「協奏曲」的な音楽を鑑賞している…そういうような気分になった。なかなかに興味深かった…
本作の「“ソロ”でドンドンと様々な演奏」という部分は、中堅商社に勤めている女性である亜希に関する部分である。そして「その背後で入れ替わりに違う種類の楽器」というような感じで、様々な人達の動きが描かれ、亜希が何時の間にか巻き込まれた妙な事態という物語が展開する訳だ…
或る日、偶々眼に留めてショットバーに立寄ったという些細な出来事から拡がる不思議な波紋…亜希の知らない場所で、色々な人達の思惑が交錯して進む事件捜査や、その他の動き…何か「不思議な物語」で夢中になってしまう…何となく余韻も深い…