あらすじ
なぜ競争しているのに生産性が落ちるのか。なぜ学力を上げてもリーダーが育たないのか。なぜ十分な富があるのに、貧困と格差が広がるのか。どうすれば市場原理と多様性・持続可能性が両立するのか。地域再生の現場で繰り返される対話から、「和力」という鍵概念が浮上する。「脱・競争」のまったく新しい成長戦略。
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Posted by ブクログ
これからの日本を予想する。
和の国富論というタイトルはこの本の良さを表しているような表せていないような…
アダムスミスの国富論の、「自由競争こそが経済成長と完全雇用に導く」という側面だけが強調されるが、その前提として、「市場の参加者に、他者に同感する能力と、自己の感情や行為を他人の目で見て帰省する習慣が求められる」ことも指摘されていた。
その共感力をベースにした国作り、経済の維持は日本独自のやり方が近いとこにいるのではないか。
それぞれの分野で一家言を持つ、6人の実践家と藻谷氏の対談集。藻谷氏がエコノミスト、アナライザーとして本を書くだけでなく、こういった形で「実際の経済はどう動いているのか」にじかに触れて吸収していく姿勢がすごいと思います。
けっしてショーケースに入った「経済」でなく、日本の今後につながる道を示しています。
ただし、本の帯にあるような「脱競争の新しい成長戦略」を示しているわけではありません。(そもそも成長しつづける経済を維持できるか…)しかしこれからの戦略、行動のヒントになる切り口を示している本であることは間違いありません。