あらすじ
少女を殺したのは、物語に秘められた毒――戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり……物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
戦時下のミッションスクールで流行した「小説の回し書き」から女生徒を巻き込んでいく美しいミステリー。
戦中、戦後の世の中の変わりようが、今なら分かるような気がする。中身のない矛盾した物言いが蔓延っていて、それを受け入れなければならないのはさぞ辛いだろうと思う。
文学・音楽・絵画。お腹は膨れないけれど、少女たちの心をどうしようもなく潤すそれらが随所に散りばめられ、知識欲を駆り立てる。いつ命が失われるか分からない過酷な状況でも、心が求めるものを無視することはできない。
読み終えて喪失感すらある。
Posted by ブクログ
戦中の2つの女学校という空間が出てくる。
片方はミッションスクール、もう一方は都立女子校。
ミッションスクールはどちらかというと日本になじまない宗教性からか夢見がちに浮いて見られることが多い。しかし、そこには司教の体罰や異質な性癖、入信はしていない多くの女学生、エスという関係。決して穏やかなものだけでは済まされない。まるでジャスミンに似ているのにそれとは違う黄色い花を咲かせ、猛毒を持つカロライナ・ジャスミンのように。
なにが美しいと言うよりも、読んでいてとても楽しい、小説だった。
女学院の纏う愛らしさと排外性、戦争中という享楽の飢餓、それらが相まって「倒立する塔の殺人」の謎、現実の謎に垂直にのめり込む。
物語の中の1つ1つの異様さ、怖さに捉えられ、謎を体感し、犯人の罪の独白でない形で晒される。
・・・皆川さん初めて読んだけど、また他のも読みたいと思った。
めも
ミッションスクールだというのに神が皮肉にしか用いられなかったところ。(小枝たちはミッションスクールではなかったからか)
しずくの自分の罪を試そうとする行動
実際家になる少女たち。→そこが書かれる理由
Posted by ブクログ
恩田陸シリーズが好きな人はハマりそうなお話し。
不思議な雰囲気が似てるかも。
鏡の仕組みもなるほどと思いながら、少し頭を使わないと仕組みを理解するの難しいかも。