あらすじ
プラハのユダヤ人街に住む宝石細工師の「ぼく」は、ある日、謎の人物の訪問を受け、古い書物の補修を依頼されるが、客の帰ったあと、彼について何も思い出せないことに気づいて愕然とする。どうやらその男は33年ごとにこの街に出現するゴーレムらしいのだ。やがて「ぼく」の周辺では次々に奇怪な出来事が…。夢と現実が混淆する迷宮めいたこの物語は、第一次大戦さなかに出版され、熱狂的に読まれたドイツ幻想文学の名作である。
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Posted by ブクログ
その象徴表現がわかった/わからなかったで片づけてしまうのは惜しい、小説としても豊かな膨らみがある思弁小説。
小道具やモチーフが輝いている。
語り手の意識はほぼ常に昏迷状態だが、混乱が極まる個所が幾つかあり、その筆致が凄まじい。
神秘主義のごちゃまぜという感じ。
特にゴーレム伝説よりはドッペルゲンガーか。
だが混乱を経て確実に魂の浄化へと向かう。
昏さにおいてはホフマンや「カリガリ博士」の雰囲気、神秘主義に関してはバルザックを思い出したりもする。