作品一覧

  • ゴーレム
    4.2
    1巻1,540円 (税込)
    プラハのユダヤ人街に住む宝石細工師の「ぼく」は、ある日、謎の人物の訪問を受け、古い書物の補修を依頼されるが、客の帰ったあと、彼について何も思い出せないことに気づいて愕然とする。どうやらその男は33年ごとにこの街に出現するゴーレムらしいのだ。やがて「ぼく」の周辺では次々に奇怪な出来事が…。夢と現実が混淆する迷宮めいたこの物語は、第一次大戦さなかに出版され、熱狂的に読まれたドイツ幻想文学の名作である。
  • 黄金伝説 1
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 聖人や殉教者の言行や生涯を神話化した聖人伝説。このキリスト教の空想力が生み出した神話・説話文学の一大ドラマは、ヨーロッパが自らの精神のために絶えず養分を汲み取ってきた源泉である。本書『黄金伝説』は聖人伝説の白眉、ヨーロッパ文化を理解するための基本文献である。主の降臨から始まる本巻には、聖アントニオス、聖セバスティアヌス、聖女アガタなどを収める。

ユーザーレビュー

  • ゴーレム

    Posted by ブクログ

    20世紀初めのこの小説が、これほどまでに面白いとは思わなかった!
    ホフマンやポーの流れを汲んだウイーンの作家グスタフ・マイリンクが1915年に発表した幻想文学の傑作「ゴーレム」。とんでもなく私好みではないか!世紀末から精神世界にのめり込み表現主義が進む当時のウイーンの香り漂うカバラ、錬金術、占星術、神智学など神秘主義の影響を受けたマイリンクが、ユダヤのゴーレム伝説をもとに書き上げ、第一次大戦の最中に大ベストセラーになったという。

    ゴーレムといえば1920年の名作映画「巨人ゴーレム」がある。監督はパウルヴェゲナー。ドイツ表現主義の無声映画だ。土塊から作った泥人形にカバラの秘術で命を与え、肉体労

    0
    2023年12月02日
  • ゴーレム

    Posted by ブクログ

    こんなのが出てしまったら古書業界はお手上げである。が、読書としては嬉しいような。特に訳が変わったわけでもないらしく、コンパクトにお求めやすくなりました…

    0
    2014年05月26日
  • ゴーレム

    Posted by ブクログ

    プラハのユダヤ人街に暮らす宝石細工師
    アタナージウスの部屋を奇妙な客が訪れ、
    表紙が金属で出来た本を差し出して姿を消す。
    それを補修すればいいのだろうと考える
    アタナージウスだったが、やって来たのは
    三十三年毎に街に現れるゴーレムらしい……。

    ゴーレム(golem)はユダヤ教の伝承に登場する
    自力で動く泥人形で「胎児」の意。
    作者グスタフ・マイリンク(1868-1932)は
    ウィーン生まれで、
    当時はオーストリア=ハンガリー帝国(1867-1918)の
    時代なので、
    プラハ(現チェコ共和国)を舞台にした小説が
    ドイツ語で書かれたと想像される。

    ユダヤ人居住区を指す言葉として「ユダヤ人街」と

    0
    2017年10月08日
  • ゴーレム

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    その象徴表現がわかった/わからなかったで片づけてしまうのは惜しい、小説としても豊かな膨らみがある思弁小説。
    小道具やモチーフが輝いている。
    語り手の意識はほぼ常に昏迷状態だが、混乱が極まる個所が幾つかあり、その筆致が凄まじい。

    神秘主義のごちゃまぜという感じ。
    特にゴーレム伝説よりはドッペルゲンガーか。
    だが混乱を経て確実に魂の浄化へと向かう。

    昏さにおいてはホフマンや「カリガリ博士」の雰囲気、神秘主義に関してはバルザックを思い出したりもする。

    0
    2014年03月25日
  • ゴーレム

    Posted by ブクログ

    幻想小説はよく「夢」がでてくる。構造としては夢の夢の夢の夢の・・話とかね(笑)主人公の追う幻はヘルアフロディーテを創造しフィナーレを迎える。

    0
    2014年10月17日

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