あらすじ
「甲子園なんてこなければよかった」──。球史に刻まれた一戦、1992年夏、星稜vs明徳義塾。松井との勝負を避けた明徳は非難を受け、試合をきっかけに両校ナインには大きな葛藤が生まれた。あれから15年、自らの人生を歩みだした監督・元球児たちが語る、封印された記憶。高校野球の聖地で、彼らは何を思い、何が行われたのか。球児たちの軌跡を丹念に追ったノンフィクション。
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Posted by ブクログ
1992年夏の甲子園。ひとつの伝説が生まれた。
「松井秀喜 5連続敬遠」
野球に詳しくない人でも知っているだろう。
松井秀喜を有する石川県代表星稜高校と、高知県代表明徳義塾の試合、そしてその裏で何が起きていたのか。事件から十年後、彼らと同年代の著者が、ひとりひとりを丁寧に取材して組み立てたノンフィクション。
松井の全打席敬遠を指示した明徳義塾の馬淵監督。従って敬遠した河野。敬遠された松井の次打者だった月岩。当事者たちはどう思っていたのか。
これを読んでからYouTubeで動画を見るとものすごくおもしろい!
野球好きでもそうでない方も読んでみてほしい一冊。
Posted by ブクログ
多角的に色々な関係者を取材し、客観的に書かれた優秀なルポだと思った。旧選手、マスコミ関係者、当時の映像等々、丹念に調べてあり好印象。しかも、時々、主観もまじえつつも、冷静な視座がキープされ、よくマスメディアに見られるように最初に描いた筋書をなぞっていないのがよかった。一面的、あるいは限られた方向からの取材に終始した東海村原発事故の本読んだ後だったので、なおさらよさを感じた。
勝負に真摯だからこそ敬遠したのだという見方にはっとさせられ、自分の短慮を反省した。