【感想・ネタバレ】ワタミの失敗 「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2022年夏の読書感想。最近、日経ビジネスにも「ワタミ」の特集が組まれるなど、ワタミの挑戦が耳目を集めている。相変わらずの渡邊商店だが、ワタミは良くも悪くもこの道しかないということだろう。この本を読み、最近のワタミの状況をみると、いろいろと考えさせられる。
この本で得られたことは、正しいことと信じてることでも「世間」はそう受け止めない!ことを前提に組み立てないといけないという教訓である。

0
2022年09月11日

Posted by ブクログ

もともと高杉良「青年社長」を読んで渡邉美樹氏に興味を持っていた。それだけに、その後のワタミ炎上にはどことなく違和感を覚えていたので、ブラック騒ぎに言及した本を読んでみようと購入。

ワタミ側に寄りすぎることもなく、世論側に寄りすぎることもなく、務めて客観的に分析しようとアプローチされていると感じた。著者も本文中で言っているフレーズだが、「人ひとり死んでいるのに」という声をあげられると、日本の社会ではもう一方的に責められていなければならない。本書は読み方によってはワタミ擁護とも捉えられかねない内容であり、これを上梓することは著者にとっても勇気が必要だっただろうと思う。

気になる「ブラック企業」ワタミの背景にあったものは、なんとなく自分が思っていたものとおおよそ合致していた。強烈な個性を持った創業者と従業員の温度感の差、
世間と企業内との温度感の差、成功者に対する妬みと僻み、スキャンダルを求める風潮等々が複雑に絡み合ったものであり、必ずしもワタミが「従業員をちぎっては投げする」ような悪徳企業とも言えない、というものだ。
しかしまさに「perception is reality」。事実がどうであろうと、どんな正当性があろうと、より重要なのはそれが相手(この場合不特定多数になるが)にどう捉えられるか、ということなのだろう。それで自身の信念を否定されなければならない渡邉氏の胸中は察するに余りあるが、それが今という時代の真実なのだと思う。

ともかく、我々は「ワタミはブラック企業」という字面に引っ張られ、短絡的な判断を下してしまう。しかしそれは、「PDCA」やら「断捨離」やら「コーチング」あたりの単語を見ただけで、それがどのようなものか分かったつもりになって失敗する、生兵法を連想させる。
この本はそのような姿勢を反省させ、自身のメディアリテラシーを見つめ直す機会も与えてくれると思う。

0
2019年04月23日

Posted by ブクログ

本書によるとそもそも日本の労働慣行にブラック化する要素が含まれているとのこと。「日本企業の場合、全員が幹部候補になり得るが、欧米の場合、幹部候補となる一部のエリートと、それ以外の大多数のノンエリートに厳然と区別された構造になっている」
この日本企業にある建前上全員に社長になれるという平等性が従業員全員に頑張りを強要させ長時間労働にいそしむ形を作り上げた。今年になって毎日新聞の記事で働き方改革が声高に言われていますが、日本の労働慣行の闇の深さを感じた一冊でした。ワタミについてはブラック企業と呼ばれることが一企業のブランド価値を壊滅的に毀損させることがよくわかりました。

0
2016年12月18日

「ビジネス・経済」ランキング