【感想・ネタバレ】芸術立国論のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2018年11月10日

2017/11/24平田オリザ「芸術立国論」☆☆☆「成熟」時代認識を踏まえた日本革新=真の成長戦略
「管理」(155)
人間の中に巣くう他者を管理しようとする気持ち、が問題
この心根が、規制を生み、規制緩和を妨げる
構造改革は、この精神の構造改革から
→管理の仕事はリスク無く権力的 望む人が増えると...続きを読む国は滅びの途
 しかも「責任者の空洞化」が起こる 開戦の責任者がいない
「芸術」(156)
芸術は常に既成の概念を打ち破り、自由へ向かう強い意志を内包
権力は「芸術」を怖れ、忌避する
「成熟の時代」 成長主義から卒業
芸術文化は余暇ではなく、生活の中心になる
労働さえもが、文化化されていく
「国家が細かい仕事」(167) 国家と地方のあり方 道州制
助成金制度 大きな国家が、劇団の公演一つ一つを査定・支援する
中央官庁が直接管理はできない 権限を委譲すべき
地方創生も同じ 個所付けの利益供与から脱却すべきだが
「劇場運営のプロ」(169) 人材育成システムの改革
公務員が、ローテーションで劇場担当となり、2年後転勤していく
消防署から来て、保健所へ転勤 ここに意味があるのか
日本は「仕事」を中心としたキャリア制度がない
ジェネラリスト偏重は国家公務員からきている 企業組合制度も
資格と実績でキャリアアップしていく制度・運用を
2017/11/25芸術立国論 平田オリザ
1.地域における芸術文化行政
成長の時代 地方の画一化 価値観も画一 重層性を失い安定を欠く
社会の成熟(43) 芸術文化の必要な時代へ 多様な社会を作る
 無駄のない社会は病んだ社会
 芸術家のいない社会は病んだ社会
 多様性・重層性のある社会が民主主義社会の根幹
 少数民族・身体障害者など弱者の意見を強く反映
芸術は未来を形にして私たちに提示する(53)
成果も未来に現れる
日本の行政システムは対応できない
公共事業依存(55)精神的な鎖国
県民一人あたり公共事業費(1)予算を増やす(2)人口を減らす
内向きであり 他者の足を引っ張る 北海道の気風でもある
住むことに誇りを持てる社会を(56)
 工場見学から、地域の芸術文化の見学へ
 演劇 小さな営みが、その小ささ故に価値を持つ
2.経済的側面から見た芸術文化行政
もはや「モノ」は人を幸せにしない
「サービス」が産業の中心に 感性・発想力国力を左右
これからは「何を売るか」→「いかに売るか」
CF 文化はフランスの基幹産業 ⇒国家イメージ 「ブランド戦略」
競争相手の間違い(76)製造拠点を取り戻すのは時代錯誤(植民地主義)
新しい産業を創出し、重層性のある社会への転換を図る
経団連の重厚長大産業を卒業
独創的な発想の人材を重視 工業国では与えられた命令に従順
3.教育と芸術文化行政
4.文化権の確立 芸術は医療・教育と同じ
芸術の予算確保 ex芸術保険制度 医療保険と同じ
5.文化行政の未来
成熟国日本は文化立国を目指す
文化省の中に、教育・学術・スポーツ・芸術文化
ex桜美林大学の変革
 問題は、人間の中に巣くう「他者を管理しようとする気持ち」!
 まずはこの精神構造の改革から
 芸術は変革のリーダー
 労働さえもこれからは文化化されていく
社会との関わり(164)助成金制度 地域に多様性をもたらす
貧乏だから金をくれ、というだけはダメ 北海道も同じ
助成金制度の問題
 国家が個々の公演一つ一つ直接支援を行う 
プロ人材 地方公務員のローテーションではプロはできない
劇場の管轄は消防署と保健所

0

Posted by ブクログ 2009年10月04日

私の進路を決定づけた1冊。

この本に出会った結果、大学院への進学を決意しました。

日本人は、伝統文化を守る、ということにかけては優れた能力を発揮しますが、
「攻め」の姿勢・意識というのは、極めて希薄に感じます。

もっとも、経済状況と反比例に考えられがちな存在である芸術が、
実は日常において重要...続きを読むな役割を担っている事を根底から理解しないかぎり、
日本におけるその地位はあくまで「高尚な存在」程度の疎遠な関係でしかないのでしょうが。

0

Posted by ブクログ 2016年05月16日

夢のような世界、この夢のような世界の提言からもう15年経ってしまっている。芸術文化行政という言葉に耳がぴりぴりとする行政職員。
この夢物語を現実にしていくかどうかは、ほんと、わたしたち市民にかかっている。
芸術は、演劇だけではない、その演劇だけではないものも巻き込んでゆけるか、どこまで巻き込めるのだ...続きを読むろうかに、この世界の将来がかかっているような気がしています。

0

Posted by ブクログ 2013年10月13日

平田オリザの政策提言。
かなり大風呂敷を広げているのだが、荒唐無稽に思えないところがこの人のすごいところ。
論理展開がわかりやすく、かつ劇場を取り巻く現状や政策にかんして熟知している著者ならではなのだろう。
芸術の効用として、社会の他妖精の書くほや対話能力の育成が重要なのである。

0

Posted by ブクログ 2014年10月26日

[ 内容 ]
日本再生のカギは芸術文化立国をめざすところにある!
著者は人気劇作家・演出家として日本各地をまわり、また芸術文化行政について活発に発言する論客として知られる。
精神の健康、経済再生、教育等の面から、日本人に今、いかに芸術が必要か、文化予算はどう使われるべきかを、体験とデータをもとに緻密...続きを読むに論証する。
真に実効性ある芸術文化政策を提言する画期的なヴィジョンの書。
これは芸術の観点から考えた構造改革だ。

[ 目次 ]
序章 芸術の公共性とは何か
第1章 地域における芸術文化行政
第2章 経済的側面から見た芸術文化行政
第3章 教育と芸術文化行政
第4章 文化権の確立
第5章 文化行政の未来
終章 芸術の未来

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

0

Posted by ブクログ 2010年04月13日

芸術に対して理解のない日本において、芸術の重要性を声高に叫んでいる本です。
私も感じてはいましたが、実際最前線で活動している方の意見がききたくて読んでみました。

「芸術」だから美術や音楽を想像していたんですが、「演劇」からのアプローチで、新鮮でした。

ただ、アートマネジメントを理解してたら...続きを読むもっと面白かったんだろうなとは思います。
あと、あとがきにも書いてらっしゃいますがあくまで平田さんの個人的意見です。
だからこそ正直ベースで語れていてそれが入ってきやすかったです。

普段から芸術はもっと公共性を持つべきだと思っていらっしゃる方にはおススメです。

0

Posted by ブクログ 2009年10月04日

初めて私のやってる学問と、その学問はとても広いのだけれど、その中で私がやりたいと思ってる分野

でためになる!な本を読んだ気がした!!


突拍子のない部分はあるけれど、たしかに芸術を自分の生活のなかにとりいれるって、大事。

0

Posted by ブクログ 2009年10月04日

大学に入ってから日本の劇場経営のヤバさや、外国の芸術支援制度が如何に潤っているか、ということを知った矢先に読んだ本。いい本です。っていうか、このとおりになれよ。と思う。平田オリザめ…!!がんばれよこのやろう

0

Posted by ブクログ 2013年07月23日

2001年に発行された書籍。
本書で指摘している点で、現在改善されているものも多いかもしれない。

芸術が市場原理に任されると、経済生活に有用で機能的な芸術しか、
地方都市には残らなくなる。

芸術を享受する際の地域格差や所得格差による不公正の是正に対して、
医療や経済生活と同様に、芸術保険制度をも...続きを読むうけることを提案している。
観る側からすると、とても魅力的な制度だ。実現してほしい。

直接的に若手劇団に助成できるシステムとして、
劇場に助成を行い、劇場の芸術監督がその助成金の使い道に
責任を持つことが適切な方法ではないかと述べられている。
2001年の時点でこのようなやり方がどれほどあったかは知らないが、
現在では劇場主体で活気ある若手劇団の公演を行う劇場も多い。
ラインナップから想像すると、東京芸術劇場は
こういった形での運営を行なっているのではないだろうか?
その他にも、若い世代の魅力的な公演に力を入れている劇場も、
いくつか思い当たる。

「芸術文化はなくても死なない」という言葉に対して、
三万を超える自殺者に対して、「心の教育」を叫びながら、
具体的な施策がなかったことを挙げている。
昔から、人間の精神の問題は、芸術と宗教が担ってきたと述べる。
芸術の創造と鑑賞に、時間とお金をかけて取り組むことは、
人の精神的な支えになると私も思う。
ただ、そのことは、かなり時間を要することであると思うし、
効果を測定するのも難しそうだと思う。

自分の言葉に落としこんで、多くの人に伝えたいと思った。

0

Posted by ブクログ 2010年06月06日

演劇好きにとっては、本当にこれが実現されたら、どんなにいい社会なんだ、とニヤニヤしながら読める本。
あまりに夢のようで、でも、平田オリザが言うと、実現できるかも、とその気になってしまう。一演出家の妄想なのにね。

芸術保険は、チケット代の高さに泣いたことのある私にはものすごく魅力的。でも、個体保存の...続きを読む欲求(最下層最低限の欲求)が満たされた状態でないと芸術を楽しむ心の余裕なんてないだろうから、まずは芸術を楽しめる心を持てるように、経済回復すればなぁ。
今みたいに一部の人だけの芸術じゃなく、芸術が地域や社会に自然に根付いたら素敵だとは思うけど、道のりは遠そう。

駒場アゴラ劇場が平田オリザの実家だとは。。。これにはほんとにびっくり。1億円以上の借金を背負って23歳でスタートした彼の演劇人生って小説よりおもしろそう!

アートマネージメントに興味がでてしまった。
そっち方面の本も読んでみたい。

0

「社会・政治」ランキング