【感想・ネタバレ】ナルニア国物語5 ドーン・トレッダー号の航海のレビュー

あらすじ

いとこのユースティスとともに、突然ナルニアに呼び戻されたエドマンドとルーシーは、カスピアン王やリーピチープと再会し、行方不明の7人の貴族を探す船旅に同行することに。だが行く先々の海域には、奴隷商人、謎のドラゴン、暗闇の島など、未知の生き物や、一行の心を惑わす不思議な出来事が待ち受けているのだった。そして〈世界の果て〉には何が? ノンストップの冒険に心躍る新訳第5弾。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この世の果てへ、冒険の旅。

ナルニアでも冒険はロマンにあふれている。カスピアンがまだ見ぬ東へと船を進めているところに合流したエドマンドとルーシー、それにユースティス。未踏の海域で行方不明になった7人の忠臣を探す旅だが、様々な島の様子とそこでのカスピアンたちの行動が面白くてページをめくる手が止まらない。とうとう辿り着いたこの世の果ての様子も、地球が丸くなかったらこのような場所があるのかなと思えるような神秘に満ちている。

嫌味ばかりで自分勝手なユースティス。解説者は自分がスーザンに近いと言っていたが、私自身はユースティスかもしれない。本で読んだ知識をひけらかして不満ばかり言う、力もなく勇気もなく、自分の欲に負ける。物語は読むけど。そんな読者は割といると思う。ドラゴンになって初めて自分の醜さを知り、誰かのためになりたいと願う。そしてアスランにすべてを剥がされて人の姿に戻る。でもここでユースティスがまったくのいい子になったのではなく、いい子でいようと努力しようとする子になっただけで、時には嫌味な子に戻ってしまったと書かれているのが救い。アスランと会っても、すぐ変われるわけではない。しかしユースティスは皆に受け入れられて冒険を続けていく。そのことにほっとするのは私だけではないだろう。

皆が気弱になると啖呵を切る気高きリーピチープがとてもカッコいい。ラストの消えていくところまで一貫してカッコよかった。彼が楽俊(十二国記)のモデルになっていることがよくわかった。

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2023年10月18日

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