あらすじ
2000年、北千住にある〈弓島珈琲〉店主のダイは30歳になっていた。4月のある日、ダイの恩人であり常連客でもある三栖警部が、〈ダイへ〉というメッセージを残して失踪した。三栖の部下である甲賀芙美が、そのメッセージを手掛かりに店を訪ねてきたのだ。店を手伝う女子大生・あゆみからは、大学の同級生で親友の梨香と連絡が取れないと相談される。ダイと常連客の純也が調べ始めると、ふたつの事件の影に暴力団組長・松木の影が――。珈琲と紫煙、ミートソースの薫りの先に見える真相は――。甘く苦い過去をめぐる珈琲店ミステリー。
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Posted by ブクログ
ダイシリーズの3作目。作品に寄って時間軸が行ったり来たりする展開が良いなぁ。次々と矢継ぎ早に事件に巻き込まれていくシリーズも良いが、「あれがこうつながって、未来のあの展開になっていくのかぁ」みたいな感じ方をするのが楽しい。1作目モーニングをさっくり読み直したくなった。
登場人物はみなそれぞれ個性的でオモロいキャラクターで良い、特に気になったのが橋爪さん。彼は前作でとんでもない罪を背負っていて、その罪を償うためにすごい覚悟を持って生きている。
ある登場人物曰く「楽に楽しく生きていければ良いという本来の自分を、意志の力で封じ込めて今の贖罪人生を送っている」人なのだ。
橋爪さんのようなエゲつない罪じゃなくても、一つや二つやらかした過去を持つ人はいるだろう。俺だってしでかてしまったことはままある、それを反省し贖罪の意識できちんと生き直す。橋爪さんに見習って生きていこうと少し思えたのも良い読書体験だった。