【感想・ネタバレ】「強すぎる自民党」の病理 老人支配と日本型ポピュリズムのレビュー

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Posted by ブクログ 2016年09月29日

想像以上の佳作でした。60年安保から現在まで日本の政権・政局の流れの軸がどう変遷してきたか一気に分かりやすく理解できる。なるほど、、という箇所多数。
日本の政治の状況はまさにあらゆる意味・あらゆる点で今の日本の縮図。

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Posted by ブクログ 2021年11月29日

流し読み。
共感できる点
自民党も民主党もだめ
ポピュリズム、シルバー民主主義、先送り批判
消費税増税論者
将来世代のための緊縮財政
リベラル(夫婦別姓賛成)
成長の夢から覚めよう

もっと知りたい点
年金改革=年齢に関係なく所得に応じた一律給付
負の所得税
原発必要と言う根拠

細かい情報の信用度...続きを読むはさておき、全体的に共感・信頼できると感じた。自分は原発はいずれなくすべきと思うが、著者の原発に関する本を読んでみたい。




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Posted by ブクログ 2020年03月08日

池田信夫による日本の戦後政治における問題点を指摘したもの。

日本が政策論争ではなく政争に明け暮れて、本質的な問題が棚上げになってここまで来てしまったということがよく分かった。

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Posted by ブクログ 2020年02月29日

現状の自民党政権の課題というか、日本の政治課題を論理的に説明していて納得感があるが、消費税の逆進性について全く言及がないのはなぜだろう。

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Posted by ブクログ 2016年12月30日

池田信夫さんの本は久しぶりに読んだ。著作自体も久しぶりなのではないだろうか。SNSやブログでの発言はずっと目にしているので、その主張には違和感はない。本書は、「戦後の政治史を追って、自民党が一貫して多数派に迎合するポピュリズムの党だったことを明らかにする」というものである。「財政や社会保障を考えるう...続きを読むちに、その根幹には日本の政治システムの欠陥があることに気づいた」からだという。その欠陥は結局は日本に蔓延する「無責任の体系」といっていい。

戦後の政治史を追った、ということだがざっくりと書くと、60年安保闘争などの結果による左翼による政治争点の矮小化、田中角栄が利益誘導のばら撒き政治のシステムを確立、小沢一郎の構想はよかったが政治的に挫折して結果として混乱を招いただけだった。小泉純一郎は問題によく切り込んだが、飯島・竹中を含む個人の一発芸でシステム化できなかった。安倍政権は憲法改正という目的は明確で、社会保障や財政再建などの長期的な政治課題には興味がない。アベノミクスは失敗する(した)。小泉進次郎には期待をしている、といったところだろうか。

トランプ氏が大統領戦に勝つ前の出版だが、その直前に行われた英国のEU脱退の国民投票の結果も踏まえて、ポピュリズムが世界に広がっているという。強い自民党もそのポピュリズムの広がりに軌を一にした流れにある。一人一票の多数決による選挙という論理で政治が決まるとき、政治のポピュリズム化と無責任化はその必然の帰結であるとも言えそうな結果が出ている。特に老齢化が進むと、老人に迎合して若者を犠牲にする政治、つまり「老人のための老人による老人のための政治」となる。これが、著者が社会保障を考えることが日本の政治を考えることになるという理由である。著者が問題視しているのは、投票者に占める割合が老人が多いため、老人に不利になる政策を実施しにくいことだ。特に自民党はその政策を体質上も取りえない。また、雇用規制の問題視についても同じような問題を含んでいる。既得権益者である正社員が損をするような政策を打つことができないということに尽きる。診療報酬や薬価の見直しが必要な医療費の問題も同じである。そして、自民党は常に受益者のための政党=ロビイストの集団、だったのだ。

現在最も大きな問題である社会保障は2030年ころには破綻すると予想されるという。2050年まで持たせるためには、支給額の42%カットか、保険料の35%引き上げをする必要があるという。社会保障がこの状態であるにも関わらず、選挙で社会保障が争点とならないのは、自民党も野党も無責任の体系の中にあることと関係がある。社会保障は自民党にとっては経済問題ではなく、政治問題になっていると指摘する。そして野党もここに手を入れず、憲法などの当り障りのない問題を言うに留まっている。この点で、自民党も野党も国家財政にただ乗りする無責任の党であることに変わりない。さらに選挙のときにしか投票を行わない民衆は結果に責任を持たない。したがって、民の声が大きくなると、ものごとがゆがんでくる。政治が劣化してくる。丸山眞男が批判した「無責任の体系」は今も存在し、しかもますますその体系は強固になっているように思われる。

池田氏は、このような状況は野党にとってチャンスでもあるのではないかという。負担の分担をどのように実現するかという政策に思い切って踏み込んで、小さな政府の実現などに向けて集中すれば対抗することはできるのではないかと。著者は、最近は民主党党首の蓮舫氏の国籍問題の追及が異常に手厳しいが、よほど彼女の姿勢が嫌いなのだろう。自民党安倍政権が強くなる中で、彼女では池田さんの危惧を決して抑えることができないという焦りを持っているからなのかもしれない。もちろん本書でも批判する野党的「ポピュリズム」を具現しているのが、蓮舫氏であるとも言えるからであろう。

結局、雇用含めて自由化し、消費税増税含めて財政を健全化するべし、アベノミクスは失敗するので、いつか破綻する。一度、破綻するべきなのではないか。いつもの主張は当然ながら変わらない池田さんだったかと。ただ、自分が生きている可能性が高い間に社会保障制度は破綻すると思って行動した方がいいんだろうなと思う。言いながら何もしないところもまた日本的ではあるのだけれども。

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Posted by ブクログ 2016年11月22日

安倍一強の原因は、官邸主導を実現した政治的イノベーションにある。
強さの原因として専門家が一致して指摘するのは、菅官房長官が内閣人事局を通じて霞ヶ関の幹部600人の人事を握り、実質的な政治任用にしたこと。内閣人事局はGHQでさえできなかった「霞ヶ関の革命」である。

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Posted by ブクログ 2016年09月15日

戦後政治史について、細かい点までよく史実の掌握ができており、又その分析も確かであるとはいえる。
が、与党もダメ、野党はもっとダメで、長々と歴史を押さえた割には、今度どうなるはある程度予想できても、どうすべきという具体策はよく見えてきません。
日本の「無責任の体制」の病理はある程度理解できます。

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