あらすじ
トヨタの利益の源泉である「原価企画」の全貌を初公開!
トヨタでは、全社員が原価を意識した仕事をするため、仕事の質が向上しムダがなくなり、付加価値が生まれつづける仕組みがあります。そして、この仕組みがあるからこそ、トヨタでは「利益は製品計画の段階ですべて決まる」と言われています。
本書では、この考え方の根本にある「トヨタの原価に対する考え方」を知ってもらい、そのうえでトヨタの「原価企画の手法」「原価低減のプロセス」、そして「商品別の原価」を追求することで世界No.1の「利益」を生みだしてきた、トヨタの原価低減に対する取り組みについて詳細にお伝えしています。
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Posted by ブクログ
一言紹介
トヨタの徹底した原価低減管理の手法を紹介した本。
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自分総括
トヨタのスゴさをあらためて知れた。
一つひとつの事柄をいざ聞くとそんな事かと思っちゃうけど、それを誰もが行えるように仕組み化されてるのがスゴイ。
今の仕組みに至るまでにいかに試行錯誤し、ムダをなくして、習慣化して仕組み化に至ったか。
これだけトヨタの手法が紹介されているのに、トヨタに至れていない会社が数多くあることを思うとその難しさが分かる。
製造のあり方が大きく変わっていく中、良いとこはどんどん吸収してさらに改善していけるようじゃなきゃこの先生き残っていくのは難しいのかなと感じた。
Posted by ブクログ
トヨタの原価管理の凄みが分かる。原価管理の考え方やその手法まで紹介されているが、それを支える生産方式やムダ取り含め他社では簡単には真似できないものとなっていると思う。原価企画会議が最高レベルの会議体として位置づけられていたり、原価低減は全社員が貢献できる活動として周知されている(行動している)のはすごいことだと思う。
Posted by ブクログ
トヨタの原価低減の考え方をまとめた本。
明らかに自社とは異なるところもあるが、職種が異なるために全面的に肯定できないところもあり。
以下キーワード
・外向きには利益確保、内向きには原価低減に繋がる作業のみが「仕事」
・不確定な見積りから原価低減を始め、仕切り価格との差額を利益とするのではなく、仕切り価格-利益=原価を決定し部門別に割り振る。成立しない製品は作らない。
・4M(4つの不具合対策①材料②機械③方法④技能)+1M(自分達の工程で検査)の実施
・デザインレビューにより基準を満たすかチェックする
・原価と設計(性能・品質)のバランスを取る
・7つのムダ(①作りすぎ②手待ち③運搬④過度の加工⑤在庫⑥動作⑦不良・手直し)をなくす
・特に①は絶対に排除すべき
・仕事のプロセスを分解しムダを見つける
・営業設計のムダ①材料費②購入部品費③設計・試作費 ※仕様見直し、標準化
・生産技術のムダ①設備低減②設備稼働費③加工工数
・品質管理のムダ①不良品②不良による材料費③品質管理費
・購買のムダ①購入品単価②仕入れ先との協力・連携③仕入れ先の指導
・製造のムダ①加工工数②生産ライン③段取り④リードタイム
・大部屋方式の効果①即断即決②個々の能力を引き出す
・小さな活動を見える化するとモチベーションアップ
・5S(活性化活動)①整理②整頓③清掃④清潔⑤しつけ
Posted by ブクログ
◾️設計開発段階で利益はすべて決まる
▶︎原価に利益を上乗せした価格では勝てない
◾️原価管理のための原価を求めるための方法
①経済性検討:意思決定による原価の変動
・可変費;意思決定により変化する費用
・不変費;意思決定により変化することのない費用(既存設備の埋没費用)
→経済性検討(損益計算)での分け方
長期で見るか、短期で見るか、考えることが必要(既存設備も長期で見れば更新される)
②内外製検討:原価のもととなる条件の違い
・実績原価;価格、使用量、生産個数当たりを実績にもとづき計算した原価
・標準原価;標準的な生産条件を前提とした原価
・予想原価;将来の価格、使用量、生産個数などの予想にもとづき計算した原価
→用途に応じて使い分ける必要がある
例)実績原価の中には、該当期間に特別に発生した費用が含まれることがある
③損益分岐点:生産量による原価の変動
・変動費;生産量によって発生費の総額が変わる
・固定費;生産量によって発生費の総額が変わらない
→費目で必ずしも決まらない
④差額原価・絶対原価:対象とする原価の範囲
・差額原価;各種の代替案で変化する原価/変更部分のみの原価
・全部原価/絶対原価(フルコスト);すべての費用を含めた原価
→差額原価は、効率性と必要なもの以外の原価の変動要素を除くことができる
◾️部品原価が不明なときは工場を新設して調査する
…納入してくれないと困るという「パワーバランスの逆転」が起こり、価格交渉をしてもデンソーは強気に出るうえ、原価明細書も出してきません。
このときトヨタはどうしたか。
「この部品を自社で内製できるだけの技術、ノウハウが社内にないから価格交渉ができないのだ」
という結論に達して、その部品をつくるための専用工場を新たにつくったのです。それが現在の豊田市にある広瀬工場でした。当時、この部品の設計部署も新しく立ち上げて内製化することで、つくり方も原価も研究してわかるようになりました。
結果として、数千億円もの投資になりました。
原価のわからない外注部品にだらだらとコストを垂れ流すぐらいなら、自社で研究しようということで立ち上げたわけですが、その一方で数千億円の投資に見合うメリットがこの部品にあったこともたしかです。
この部品についてはいったん広瀬工場で設計・内製することにし、一定の成果が出たところで、デンソーに対し原価をもとにした合理的な価格を要求し、改定してもらいました。
一時は「トヨタはなんのために広瀬工場をつくったのだろう?」と噂になったものですが、その背景には、「原価」と「内製・外注」をめぐるシビアな考え方があったのです。
Posted by ブクログ
自工程完結、大部屋方式、原価企画、よく聞く言葉でしたが、それを分かりやすく解説されている本でした。これを愚直に実践されているのが、トヨタの強みと改めて痛感。
Posted by ブクログ
よく考えれば当たり前のことだが、『利益を生み出す活動以外は「仕事」ではない』というフレーズはとても印象に残った。
量産に近づけば近づくほど大枠が決まってしまうため、原価低減の余地は少なくなる。企画の段階から原価のことを考えることが重要。
このご時世でリモートが広まり、「大部屋方式」などの導入は難しい。原価低減の効果やスピード感を増すためにも、一堂に介さなくても仕事の進捗や問題点、改善点などを共有できる場(方法)をつくることが大切だと感じた。
Posted by ブクログ
書いてあることは原価の見える化や大部屋方式、5Sといったシンプルな内容だったのでわかりやすかった。が、それを周りを巻き込んで踏み切らせるには、というところまではあまり記述されてなかった、、それは自分で考えろ、ということかな。