あらすじ
「伝えたいことを相手にうまく伝えられない……」とお嘆きの諸君! グローバル社会において日本人が備えなければならない課題は、英語そのものではなく、英語の「心の習慣」である「ロジック」を学びなおすことだ。本書では、日常のちょっとした会話やメールなどで、論理思考を「コミュニケーション」として使いこなすためのコツを伝授。最強かつ最重要な「知の技法」を体得しよう!
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Posted by ブクログ
English Nativeの持つ「心の動き」(習性、習慣)として、無意識に従っている思考様式がある。それの思考様式、パターン、ルールに基づき、活用しているのが、言語としての英語である。
日本人が、このEnglish Nativeの心の動き、思考パターンに沿わずに、英語を話しても、Nativeには通用しない、「英語もどき」となる。
日本人は、明治時代に、英語を、現代国語として取り入れたが、英語の思考パターンまでは、取り込めずにいる。
英語の思考パターンとは、「Claim」に対する、How, Whyを問う思考である。これは、相手の意見Claimを尊重するが、その内容を納得して尊重する(Logical)という、English Nativeの考え方である。
ハラ芸でコミュニケーションする日本語(察する、みなまで言わない)で、「英語もどき」では、通用しない。
日本語でも、Logicalである、相手と自分とで、納得、説得し、尊重しあう形態のコミュニケーションが重要になる。
ハラ芸は、「非論理的」なのではなく、「前論理的」で、英語的なLogicalとは別次元のスーパー・コミュニケーションなのです。高Context(文脈)なコミュニケーション。
英語は、言語体系の中に、Logicalを表現する仕組みを持つ。数表現、冠詞、時制など。「a」 が「新情報」の合図になっている。
英語の発話において、3点セットの三角ロジックが、思考パターンであり、コミュニケーションのパターンである。三角ロジックとは、Claim-Data-Warrantの3つを提示するということ。(Warrantは、同じDomainを共有している場合は、省略される)
Claimは、Claim(意見、意図、提案)と、明確に分かる「形」になっている。
①過去形は、Claimでない=Data,Facts, Evidenceである。
②現在形は、Claimになりうる
③Claimは論証責任がある「形」
論証責任がある「形」(文の形式)とは、以下。
a)助動詞can, may, must, will等の話手の主観的判断をしめす表現が入っている。
b)形容詞 old, expensive, easy, ・・・等の話し手の相対的評価を示す表現が入っている。
c)状態動詞 think, hope, want等の話し手の主観的内容を示す表現が入っている。
反論は、Claim, Warrant, Dataを、Criticalに評価するところから。Counter-Evidenceや、Claimに対するアンチテーゼ(新たなClaim)の提示により反論する。また、Claimを止揚する、高い視点から抽象、統合するという反論もある。
三角ロジックをベースに論証するパターンを、「レトリック」という。レトリックは、以下。
- Description (時系列でのtransition, navigation)
- Story - Scenario - Episode
- Definition
- Exemplification
- Comparison - Contrast
- Generalization - Abstract
- Process Analysis
Posted by ブクログ
日本語にはない英語のロジカルコミュニケーション
三角ロジック
①クレーム=主張・意見・・・何が言いたいのか?
②データ =クレームの事実
③ワラント=データの根拠
通常の会話や文章でも必ず①②③の順で言う。
クレーム直接攻撃はタブー。
反論はデータかワラントを突く。
過去形は意見にはならない。現在との対比のみ。
ひとつの段落=ひとつの三角ロジック。
ワラントは省略されることが多く、
論証データ(=レトリック)の組み合わせ。
1.現状分析
2.エピソード
3.定義
4.引用
5.対比
日本語では「言わぬが花」。
はっきり言わず察してもらう「形式と情緒」。
日本人の顔文字は言葉に裏があることを示したもの。
日本人が英語をしゃべってもクレームを言わないから、
何を言っているのか理解されない。
英文書籍の和訳は
レトリックがくどく感じられ、読んでいて疲れるのは
そのためかもしれない。
Posted by ブクログ
■ひとことで言うと
ロジカル=演繹的=主張+事実+根拠に基づく論証
■キーワード
・日本語はプレロジカル(ハラ芸)
→日本独自の「察する」文化
・論証の基本はクレーム+データ+ワラント
→クレーム:「論証責任」を伴う主張
→論証責任:How & Why(どのように、なぜ)を説明する義務
→データ:クレームを支える客観的事実
→ワラント:データを述べた根拠
・クレームへの反論方法は反駁 or アンチテーゼ
→反駁:データ or ワラントの不備を指摘する
→アンチテーゼ:より説得力のあるクレームを述べる
・論証は基本的に演繹型で
→演繹型:クレーム→データ→ワラントの順
→帰納型:データ→ワラント→クレームの順
・レトリック=論証のパターン
→事実ベース(現状分析/エピソード)
→定義ベース(独自定義/主張引用)
→対比ベース(対象との比較)