【感想・ネタバレ】ギリシア文化史1のレビュー

あらすじ

現代のさまざまな国家形態、政治思想、さらに哲学、弁論、文学・芸術の諸ジャンルにおける精神活動は、原型をほとんど古代ギリシアに見いだすことができるだろう。この天才的な民族の創造物にあらゆる面から深い考察を加え、文化史家としての力をすべて結集することで、ブルクハルトの『ギリシア文化史』は成立した。その史観の類を見ぬ深刻さ、厳しく率直な人間観、深い洞察力と広い視野により、古今の史家の試みをはるかに凌駕して、この畢生の大著は歴史の真実に肉薄する。第1巻は、ギリシア人とその神話、ポリスとそこで展開された僭主制や民主制を語る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

無論初めからすっかり現今の文学(これは古代の文学に比べて、ずっと直接的にわれわれの神経に語りかけるものである)の虜になってしまわないようにしなければならない。
まして新聞を読むことに夢中になるなどもってのほかである。
(序論より引用)

ホメロスやらギリシャ悲劇にはまり、
それらがつくられた背景を知りたく読み始めた。

百年以上前のドイツの大学の講義を書籍としてまとめたものだが、
門外漢の私にとって古さは感じられず、
また考古学などの専門的な知識がなくても読む事が出来た。

それは古代ギリシャの詩や書物、演説など残されたものから
当時の文化を考察するという視点だからであろろう。
ただし、引用されている文献を読むことが前提とされており、
初めに引用したように、古代ギリシャに没頭するように心がけなければ
なかなかついていけない面もある。
(のでサラリーマンにはちょっとつらい)

この本を読んでいる間に私が手に取った本を以下に書いたので、
参考になれば幸いです。(★は頻出)


●古代ギリシャ史(ポリス)を一望できる本
 『古代ギリシアの歴史 - ポリスの興隆と衰退』 伊藤貞夫 講談社学術文庫

●叙事詩
 『イリアス』 ホメロス 松平千秋訳 岩波文庫★
 『オデュッセイア』 ホメロス 松平千秋訳 岩波文庫★
 『仕事と日』 ヘシオドス 松平千秋訳 岩波文庫★
 『神統記』 ヘシオドス 廣川洋一訳 岩波文庫★

 『四つのギリシャ神話 - ホメーロス讃歌』 逸身喜一郎・片山英男訳 岩波文庫

●ギリシャ悲劇・喜劇
 『ギリシャ悲劇I』 アイスキュロス ちくま文庫
 『ギリシャ悲劇II』 ソポクレス ちくま文庫
 『ギリシャ悲劇III』 エウリピデス<上> ちくま文庫
 『ギリシャ悲劇IV』 アイスキュロス<下> ちくま文庫

 『ギリシャ喜劇I』 アリストパネス<上> ちくま文庫 ※絶版?
 『ギリシャ喜劇II』 アリストパネス<下> ちくま文庫 ※絶版?

●その他
 プラトン・アリストテレスの著作 ★
 『プルタルコス英雄伝<全三巻>(抄訳)』 プルタルコス 村川堅太編 ちくま文庫★
 『ギリシャ案内記<全二巻>』 パウサニアス 馬場恵二訳 岩波文庫★
 『歴史<全三巻>』 ヘロドトス 松平千秋 岩波文庫★
 『戦史<全二巻>』 トゥーキュディデース 久保正彰訳 岩波文庫★ ※絶版?
 『ギリシャ神話』 アポロドロス 高津春繁訳 岩波文庫

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2013年03月05日

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