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Posted by ブクログ
他の方の本棚から見つけて、上野千鶴子氏の歯切れのいい文章を期待して読んだ。
動物行動学、宗教学、心理学、生化学、行動遺伝学、脳科学の専門家がそれぞれの切り口で不倫を論じていて、見出しだけでも興味深い内容が並びどこから読んでも面白い。ナレーションのように亀山氏の感想や補足があるのがまたいい。
女が女の不倫を叩く理由、結婚詐欺やプレゼントをする昆虫たち、女の浮気の確率はアラフォーで上がる、不倫を人が裁く時代、不倫をしやすい人とはどういう人か、人の性欲は性ホルモンに支配されない、人は大事なことは無意識のうちにやってしまう?、恋は脳のバグであるなど。
Posted by ブクログ
これはタイトルで避けると損する本ですよ。
各章のタイトルは
・昆虫は不倫をするのか
・動物は(以下略)
・宗教
・遺伝子
・脳科学
という感じで、論理的に不倫を論じている本です。めっちゃレア。
作者の感想が差し込まれるスタイルも目新しいですね。
Posted by ブクログ
芸能人の不倫報道で、テレビが賑わうこの頃ですが、この本は、なぜ人は不倫するのかという疑問を様々な方面の専門家が、独自の視点で解説しています。特に猿のボノボの話が興味深いです。
私自身は不倫を肯定するわけでも否定するわけでもないですが、人を傷つけて幸せになる事の罪深さに、しばし考え込みます。バレなければいいと言うわけでもないですが、不倫は絶対バレちゃダメなような気がします。
Posted by ブクログ
著者の意図としては不倫が必ずしも咎められないということだったが、自分が感じたのは寧ろ、不倫する人がマイノリティから抜け出すことの困難さだ。
まず、本来的に人は一夫一妻をとる哺乳類である、と。しかし正しくは一夫一妻「風」であるというのが動物学的なコンセンサスらしい。プレーリーハタネズミを使った実験によれば浮気しないこと、することの「2つの戦略はトレードオフとなっている。両者の拮抗がプレーリーハタネズミの遺伝子の多様性に貢献している」そうだ。
つまり、論理的矛盾のない説明方法として「一夫多妻から一夫一妻への移行」という説明を思い浮かべがちだが、「一夫一妻がベースであるが、それを司る脳の働き、もしくは遺伝子にはグラデーションが存在し、それが多様性を担保している」ということらしい。
社会的要請から出現した「一夫一妻制」は社会の安定を図るもので自明ではないというのが人文系の論客の主張だったが、動物学的な見地から根拠を見出せる。つまり、「一夫一妻制」は半分正しいし、半分間違っている。
Posted by ブクログ
私もまんまと恋愛のエゴイズムに従ってた。
でも自分の人生に相手を巻き込んでも
相手の人生に巻き込まれてもいいと思える人と
巡り会えることは幸せだと思います!
Posted by ブクログ
2022.32
様々な視点から不倫が論じられていて面白かった。
個人的には宗教の項目が興味深かったです。
・ヨーロッパの宗教離れが加速している。ドイツでキリスト教で教会税が国に徴収されるため、それを逃れるために若者の脱教会が進んでいる。
・SVR理論=結婚相手として異性を決めるプロセス。Stimulus 外見、声、生活、Value 趣味、価値観、Role 役割
不倫しやすい人は永遠にS、恋愛ち刺激を求め続けるタイプ
Posted by ブクログ
不倫、といえば…
「金曜日の妻たちへ」(古い!)ですね〜。
小林明子の「恋におちて」が頭の中に流れてきます。
行動遺伝学、動物行動学、昆虫学、ジェンダー研究、宗教学、性科学、心理学、脳の学者が「不倫」について語るこの本。
しかし、学者さんたち誰一人として不倫を否定しない、というか、できない。
どうしても存在してしまうものだと言う。
上野千鶴子さんの章が特に面白い。
ー 結婚という概念は、生涯ひとりの人としかセックスしませんって言ってることでしょう? 私は結婚を「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって唯一人の異性に譲渡する契約のこと」と定義しています。
とした上で、どうして人はそんなできもしない約束をするのか不思議だと言う。
挙句の果てに、
人はなぜ不倫するのか?と言う質問に対し、
「なぜ不倫をしないのか、逆に聞きたい」と質問返しをする(笑)
流石です(笑)
Posted by ブクログ
ゴシップ的なものでは全くなく、各分野でも名の知れた学者陣が、自らの専門的見地から、不倫およびそれにまつわるあれこれを真剣に述べ、それに著者がコメントを付していくスタイル。
タイトルの「人はなぜ不倫をするのか」を考えるに当たってはうってつけと言ってよい。
Posted by ブクログ
○引用
自分の人生に巻き込んでも相手の人生に巻き込まれてもいいと思えるほどの相手と巡り会えたことは幸せ
どんなときにも「絶対」ということはなく、常識的なシステムから外れる種がいるのが生きものの世界
昆虫の世界を見ていると、いかに人間が理性や倫理や社会通念にとらわれているかと感じる
自分の場所からなるべく遠い場所にいる異性を選ぼうとはしている
近親交配を避けるために、女性は自分に近い父親の匂いを嫌い、自分の遺伝子と遠いタイプの異性を好む
今はみんなが芸を求めずキャラを見ることによって、その芸人の世界を理解して楽しんでいる
不倫の経験のある方は、ほぼ全員が生育上の問題をもっていた
残る遺伝子というのは理由があって残っている
Posted by ブクログ
ベッキーのゲス不倫に始まり、
なにかと不倫ニュースが多い2017年。
世間から思いっきり批判されてるけど、
そんな純粋な人ばかりなの?!ってかなり懐疑的な私。
不倫を肯定するわけではないけど、理解はとても出来る。「しかたない」と思う。
不倫を色々な角度で理解を深めようとするとても興味深い一冊。
Posted by ブクログ
とても興味深かった。
異なる学問の見地から「人はなぜ不倫をするのか」を問うたもので、結論、男女がいればしてしまうのが自然であってなんら不思議ではない、と概ね意見が揃う。
こうなってくると、今度は「なぜ不倫をしてはいけないのか」をより深掘りしたくなる。
歴史的に性規範は緩い期間が長かったにも関わらず、結果的に不倫を許さない(許せない)状態となっているのは、なぜなのか。
本書では、一夫一妻の方が生物競争の中で有利であったと考えられる意見は登場する。
しかし、もし男女が不倫や浮気をするのが自然であるならば、社会的、法的、宗教的にここまで厳しく制限する必要はないのではないか。
宗教感が薄れ、文化が変化し、人の生き方も個人主義・性自立が際立っていくのなら、社会規範もそれに合わせて更新・進化していくのが望ましいように思う。
いみじくも本書で「人は独占欲や嫉妬を克服できていない」という発言にあったように、不倫が過剰なバッシングを受けなくなったり、柔軟で多様な生き方・関係性を認め合えるようになるまでには時間がかかるものなのだろう。
Posted by ブクログ
帯では、学者が不倫を否定しなかった、とは言うが、宗教関係者を連れてきたら、不倫は否定されるだろう。そう、宗教みたいな社会規範として不倫が禁止されているだけであって、人は結婚してもなお、別の誰かに恋をする。
作者の中立的なスタンス、不倫を否定も肯定もしない、というスタンスがきらい。
上野千鶴子先生の、むしろなぜ人は不倫をしないなか、という逆の問いが最高!
Posted by ブクログ
昨今、テレビで不倫のニュースを見ることが増えた。
不倫がばれると、いままで自分が積み上げてきたものが崩れてしまうことがわかっているのに、なぜ、不倫してしまうのか。
著者をはじめ、様々な分野の専門家が意見を発していく。
そもそも結婚と恋愛は違う。結婚して家族になると、そこには恋愛がなくなる。
しかし、人間も男と女であり、目の前に異性がいれば心の穴を埋めたくなってしまうもの。
動物的観点からすると、夫よりいい男性に巡り合ったのなら、寄り添ってみたいと思うもの。
脳科学からの観点からすると、全ての人間の行動は化学反応がなすもの。だから、それを止めることはできない。
不倫は、社会上だめなものとしてルールがあるが、それは人間社会が反映するためにできたものでしかないのかもしれない。
いいも悪いも判断するのはできないが、止まらなくなるとリスクがあること、崩壊につながることがあることをしっておかなくてはならない。
それでも、人は不倫する。
不思議なもんだね。