あらすじ
文豪、獅子文六が「人間」としても「作家」としても激動の時を過ごした昭和初期から戦後を回想し、深い家族愛から綴られた自伝小説の傑作。亡き妻に捧げられたこの作品は、母を失った病弱の愛娘の成長を見届ける父親としての眼差し、作家としての苦難の時代を支え、継娘を育てあげ世を去った妻への愛、そして、それら全てを受け止める一人の人間の大きな物語である。
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Posted by ブクログ
前半の部分は獅子文六とは何と身勝手な男だろうと思って読んでいました。
でも話は最初から興味深くて引き込まれて行きました。
読み進むうちに獅子文六の娘に対する深い愛情があふれている事が分かってきます。
獅子文六が結婚という制度に向いてないことや、
子育ても出来る事なら放棄したいという気持ちを持ちながら後半では立派に娘を嫁に出し終えてほっとしているが少し寂しい気持ち等が素直に書かれていて、好感が持てました。
獅子文六の生き方も素敵でした。
もっと早くこの小説を読んでいたら男心が理解出来たかも知れません。
この本を読むのに10日間もかかりました。
少し長いですが、毎日サクサクと読め、私的には久しぶりのヒット作で面白かったです。