【感想・ネタバレ】慰安婦問題の決算 現代史の深淵のレビュー

あらすじ

「慰安婦問題」「朝日新聞問題」など、歴史戦の中心で論戦を繰り広げてきた現代史家である著者。その論は、実証的であり、イデオロギーにとらわれない立場から円熟の思考で練り上げられる、まさにプロの仕事である。本書は、「慰安婦問題」「朝日新聞問題」など、ここ数年の論考を全58編集成し「現代史の深淵」に光を当てる、読み応え十分の論文集である。とかく、本書で取り上げるような問題には、イデオロギーがつきものであるが、著者の姿勢は、「事実をもとに考えれば、自然な結論に至る」というものであり、論理的な無理が排されているため、それぞれに聞くべき考えが凝縮されている。これからの現代史研究のモデルとも言える、「秦郁彦入門」といってもいい一冊である。

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Posted by ブクログ

日本軍「慰安婦」問題に関する認識を深めようと手に取り読み始めてみたんだけど、この人、自分とまったく認識やとらえどころを異にする人だった。読むのやめようかと思ったけど、いやいやこうして考えの違う人の考えを拒否するのはいかんでしょ、と思いながら斜め読み。
「慰安婦」に関する話題に限らず近年の執筆や対談をまとめて一冊にまとめたもの。2020年の東京オリンピックは秋にやったほうがいいとか賛成できることもあるんだけど、「慰安婦」に関しては産経新聞や「正論」に載ったものが大半。強制連行はなかったと言っているけど、証拠こそないものの、証拠がないからなかったことにもならないでしょ。秦氏は南京大虐殺をはじめとした事々は、「ない」と「大量」の間に実数があると書いていて、「慰安婦」の強制連行もそうなのでは。みんなが強制連行されたわけではないだろうけど、強制連行された人もいるんじゃないかな。兵士どころか士官以上の高給・好条件だったんだからとも言っているけど、それも本当のことだったのかしらん。
自分としては「慰安婦」問題の焦点は、高給などの甘言にひかれ自ら行ったとしても、心に傷を負うようなことになったらそのような状況においた責任があると思ってる。韓国だってほかの国だって戦場の性に関しては、似たようなことをしているとも秦氏は述べているけど、だからって日本が罪を免れるわけでもないでしょ。
意を異にする主張にも触れなきゃとは思うけど、やっぱりダメなものはダメだった。重箱の隅をつつくような、または揚げ足取りのようなもの、あるいは何でこんなふうに思えるんだろうって主張が続くので、拒否感が先に立ち、読み込めたとはいえず。

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2019年04月21日

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