【感想・ネタバレ】装いの王朝文化のレビュー

あらすじ

衣服は、いつの時代も、着用している人物の位や性格など、様々な情報を示してきた。『源氏物語』『枕草子』などの作品の記述を手がかりに装束の記号性を読み解き、作品の新たな解釈と古典を読む楽しみを味わう!

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Posted by ブクログ

非常に読みやすい。

装いの王朝文化というので、女性の衣服が中心かと思ったら、むしろ男性の衣服が中心だった。
狩衣は、狩りのための衣装であるだけでなく、旅の衣装であり、身分をやつしての恋の衣装。
直衣は平服、リラックスウェアでなく、それなりの人に会い、それなりの場所にも出られる服装であったこと。
んな話が出てくる。

興味が引かれたのは、仕立てや着替えの時間の話。
仕立ては結構直前に依頼されることもあり、着替えは意外と時間がかからないものであるらしい。
まあ、そうでなければいかに貴族とはいえ、服装も早く廃れてしまうはず。
理屈ではそうなんだけれど、書き残された作品の引用でそれがしめされているから、面白い。

若くなくなった道綱の母が、兼家や道綱の衣服を立派に整えることで妻としてのプライドを保っているという話が、最終章で指摘される。
このあたりの記述、何か筆者が道綱の母に憑依した感じがするのは気のせいか?

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2016年08月13日

Posted by ブクログ

蜻蛉日記に関心がある人はぜひ読んでほしい。着目点が増えて、もっと面白くなると思う。
兼家と心が通わなくなった道綱母に残された唯一の矜持は、装束を整えることだった。この考察を読んで、当時の装束が持つ意味合いの重さを感じた。

王朝装束というと装束の色合わせなど見た目の解説本が多いが、本書はそれらに加えて装束の仕立てや着替えなど「着衣としての装束」の考察が書いてあることが興味深い。

気になるのは、当時装束の着付けはどうしていたのだろう。藤原行成が帯を解いて休んで、着付け直したことが書いてある。ここに召使は出てこないので、自分ひとりで着脱していたのだろうか。

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2023年05月19日

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