あらすじ
農奴解放前後の、古い貴族的文化と新しい民主的文化の思想的相剋を描き、そこに新時代への曙光を見いださんとしたロシア文学の古典。著者は、若き主人公バザーロフに“ニヒリスト”なる新語を与えて嵐のような反響をまきおこしたが、いっさいの古い道徳、宗教を否定し、破壊を建設の第一歩とするこのバザーロフの中に、当時の急進的インテリゲンチャの姿が芸術的に定着されている。
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Posted by ブクログ
本書は、ニコライやパーヴェルら父の世代(古い貴族的文化)とアルカージイやバザーロフら子の世代(新しい民主的自由的文化)の思想的な相違と衝突によって描かれている。ニヒリストである主人公バザーロフの持つ否定と破壊。しかし意志と知識を持ち合わせ前に進むエネルギーを持ち、かつ人間味も兼ね備え、そしてそれらが悲劇的に融合していく。
いつの時代にも、世代間には、相違があるだろうが、それを子の世代、父の世代がそれぞれどのように寛容になれるか、人間の器を問われますね。