【感想・ネタバレ】わたしに拍手!のレビュー

あらすじ

50歳なんて出発点。喜びも悲しみも、本物を味わえるのはこれから――。
山本寛斎、デヴィッド・ボウイらのショーを手がけた70年代から、65歳を超えて今なお日本のトップスタイリストとして活躍する著者。50代で経験した離婚、養父の在宅介護……。それでも通いつめる映画に芝居、イベントへの飽くなき欲望と熱狂。また、スタイリストとして感じた、ハリソン・フォード、イギー・ポップ、山崎努らとの一期一会の仕事の魅力。おしゃれで胸はずむ珠玉のエッセイ集!

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Posted by ブクログ

軽快な語り口で、前向きに仕事を通した生活をしているのに、ふと、振り返る過去の記憶。家族と暮らした二十五年に、思いをめぐらせるひと時が、とても共鳴できる。いくら仕事人のyaccoさんであっても。大活躍しているyaccoさんでも、二十五年の暮らしがあってこその今ということを、とても真摯にとらえている。意図的に隠そうとしていないところが、清清しいんだと思う。僕はその三分の一程しか一緒の暮らしができなかったのに、言葉にのせることができないでいる。そういうことにまた囚われる。旨が苦しくなったら、この本をめくろう。そんな勇気をもてる暮らしぶりが拝見できる。
『別れてからの十年間には、偶然がつくってくれる必然で、そういう場所を巡礼のように訪れることがあった。長い時間をかけて、考え抜いてきたことがその場所を訪れ、その風景を見つめることによって、春の日差しの中の積雪のように、じわーっと溶けていくのを経験していた。そのたびに、あっけなく長い間の呪文はとけた。』

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2010年10月20日

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