あらすじ
「20XX年○月△日19時頃、夏の宵闇垂れ込めるS市K町4丁目の通りで多数の住民が暗色の奔流を目撃した」――3年前、会社から帰宅途中の吉田大輔氏(30代、妻と男子ひとり)は、降りた駅から自宅玄関までのあいだで一瞬にして19329人となった。全員が寸分違わぬ吉田大輔氏その人である。瞬く間に報道され様々な考察がなされるが、もちろん原因は分からず対処のしようもない。200~600人ずつに分けて吉田大輔氏が収容された先は計6県の人里離れた廃病院、廃旅館など。隔離された環境下で果たして吉田大輔氏たちは……。応募総数464作から大森望、日下三蔵、山本弘ら3選考委員全員が絶賛し選出した、稀代のスラップスティック思弁SF。第7回創元SF短編賞受賞作。/イラスト=藤原遼
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Posted by ブクログ
私が気に入ったのは、「たゆたいライトニング/梶尾真治」。「思い出エマノン」という地球生命誕生からの30億年分の記憶を持ち続ける少女の物語シリーズの一編です。今回は30億年に渡りタイムスリップを続ける少女ヒカリとの友情のお話しでした。設定がすごいですね。
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いろんなタイプのSF作品のアラカルト。最近のSFは懐が深いなぁと感心。
好きな作品と、いまいち乗れないお話と差があって、読むのに時間がかかった。
Posted by ブクログ
SF。短編集。アンソロジー。2015年。
小説18作、漫画2作。
宮内悠介「法則」と、上田早夕里の表題作は既読。
個人的には、傑作選の2016年版『行き先は特異点』よりは少し劣る印象。それでも十分な出来ですが。
良かった作品は、藤井太洋「ヴァンテアン」、飛浩隆「La poésie sauvage」、伴名練「なめらかな世界と、その敵」、梶尾真治「たゆたいライトニング」、表題作、石川宗生「吉田同名」、漫画2つ。
気になっていた梶尾真治・エマノンシリーズが好みの雰囲気だったことが一番の収穫。
Posted by ブクログ
大小粒揃いのSF短編集。
非常に安定したシリーズですね!
書架で見つけたら損はしないので手に取ってください。
既読の物もいくつかありましたが、
「ラクーンドッグ・フリート」速水螺旋人
→たぬき可愛い!
「神々のビリヤード」高井信
→最初何だかわからなかった(笑)ハガジンいいですね
「インタビュウ」野崎まど
→笑える
「ほぼ百字小説」北野勇作
→ふわふわ感たまりません
「言葉は要らない」菅浩江
→純粋に泣けます
辺りが自分にはストライクでした。
北野さんのはTwitter探してまいましたとも!
Posted by ブクログ
まさかの上遠野浩平に森見登美彦。
既読だったのは藤井太洋の「ヴァンテアン」、宮内悠介の「法則」、野﨑まどの「インタビュウ」。
既読だったけど、野﨑まどのこれが選ばれているのはうれしい。「法則」も好き。
そして梶尾真治のエマノン…久々に読んだなあ…。なつかしい。
ユエミチタカの「となりのヴィーナス」も嫌いじゃなかった。他の作品も読んでみたい。
高野史緒の「小ねずみと童貞と復活した女」、伴名練の「なめらかな世界と、その敵」、林譲二の「とある欠陥物件に関する関係者への聞き取り調査」、酉島伝法の「橡」、菅浩江の「言葉は要らない」、上野早夕里の「アステロイド・ツリーの彼方へ」の辺りもなかなか好き。
この年刊日本SF傑作選シリーズは、新規開拓にうってつけでやっぱり好きだ。