あらすじ
2009年11月、エチオピアを訪ねて以来、アフリカ16か国で少数民族を撮り続けた“裸の美人フォトグラファー”ヨシダナギの全記録。
「相手と同じ格好をすれば、ぜったい仲良くなれる」とずっと思っていたヨシダナギ。
彼女が裸族の前で裸になると、いままでになかった歓迎の舞が始まった――。
そんな彼女が大好きなアフリカとぶつかったり、爆笑したり、泣きわめいたクレイジーな紀行が、豊富なビジュアルとともに描かれた一冊です。
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Posted by ブクログ
面白すぎて、一気にページをめくってしまいました。
一番笑えたのはナギさんとある通訳ガイドのやり取り!
通訳ガイドによっては、ナギさんの一方通行、もしくはそのガイドの激しすぎる思い込みで全くお互いの認識が交わることなく終わった旅もあったようで…
ナギさんの心の叫び!が紙面からでもおびただしい量であふれ出ていました。
そのガイドに対するストレスがコレでも足りないというほど書き連ねてあって、あぁ…そうとうこの人と一緒にいるのがツラかったんだろうなぁ〜と。
他にもホテルのエアコンつけたら、エアコンからイグアナが飛び出してきたりとか。
三つ星ホテルの部屋に泊まったらおよそ140匹のゴキブリが先客で居座ってたりとか。
アフリカの摩訶不思議ワールドが面白おかしく展開されてました。
アフリカの人との出会いはどれも素敵で、
ある少年との出会いは心がほっこりしてきました。きっとナギさんとこの子はこれからも繋がったまま縁が続いていくのでしょうね〜。
ナギさんの本を読むことで、
世界の広さを感じました。
私が想像していた以上に生来の黒い肌がアフリカ人にコンプレックスを抱かせていたし、
私の認識以上に肌の色によってアフリカの人は今なお生きることに弊害があるというのが、
なんだかなぁ〜ってもやもやしてきました。
アフリカの人から見れば、日本人も白人というくくりになるようで、差別意識の激しさを感じます。
今更ながら、うまく白人をあしらって日本を植民地化させなかった戦国時代から昭和に至る先人たちに感謝です。おかげさまで、今のところ文化も人権も守られてます。
いろいろと感動をくれるナギさん。
やっぱりナギさん素敵だなぁ。
Posted by ブクログ
海外旅行は大好きなので、これからもゆるい旅人精神をもって生きていきたいと思っている。
もしかしたら、バックパックをどこに置いたかも捨てたかも分からない私は、もう旅人とは言えないかもしれない。
それでも生涯旅好きでありたい気持ちは、きっとこれからもあり続けるはずだ。
アフリカは怖くて行けない。行ってみたい気持ちは無きにしも非ずだけど、身の危険を感じてまで行きたいとは思わない。
そんな私が手に取った、この本の締めくくりはこうだ。
「アフリカ=危ないという偏見を抱いている人が減って、ひとりでも多くの日本人が、アフリカという大地に興味をもって足を踏み入れてくれることを、心の底から願っている」
きっと、私のようなゆる旅行好きをいざなう一文。けれど、ある種逆の感想をもって、私はこの本を閉じた。
この本を読んで強く感じたのは、その人にとって大事なこと、生きていくうえで必要なこと、信じている何か、その他いろんな常識が、日本人の私とは大きくちがうということだ。
海外旅行に行くと、現地の人々との違いを肌身で感じる。
マレーシアの村に滞在したとき、スコールをシャワーと行って裸で浴びた経験は今でも忘れられない。大雨雷のなか、キャー!と外に出てゆくチルドレン、取り残される私。
とはいえ、マレーシアの彼らと私の常識はそこまで乖離していなかったように感じる。もちろん、文化の違いはあるけれど(シャワーを外で浴びるか、内で浴びるかなんて、水を浴びてることに違いはない、つまり大きな問題ではない、ということにして)彼らの考え方は理解できた。彼らの親切やおもてなしは私も理解できたし、彼らの悪意には私も気づいた。そして多分、それはホストファミリーも同様だったように思う。
たぶん、ヨシダさんの訪問先はアフリカの中でも、なかなかマイナーなエリアだろうから、そりゃ話が違うのは当たり前だと思う。でも根本的に何かが違う。違和感を感じるのだ。それが良いでも悪いでもない、ただただ横たわる違い。
人とコミュニケーションをとるうえで、どうやっても分かり合えない違いに立ち向かうのは大変だ。上司に感じる、このやろう…何考えてんだわからずや…とはきっと話が違う。言語の壁があるなかで、ゼロベースで互いを理解すること、メンタリティとコミュニケーション力、そして柔軟性、うまくやれるヨシダさん本当にすごい。
現地の人を撮る写真家のヨシダさんは、アフリカ人のいいところも悪いところも、感情的に綴っている。アフリカいいところと言っている割に、それなりにディスっている。
この本をすいすい読めてしまったのは、人にフォーカスを当てているのが面白いからだ。正直、エチオピアとマリとスーダンの景色の違いとか観光地とか、どうでもいいもの…。どうせ行かないし。(あっ、言っちゃった)個人的にはエチオピア2の少年の話がとても好きなので、海外に興味がある人がいたら読んでほしい。
最初の話に戻るけれど、この本を通じて、アフリカ行きたい!という気にはなれなかった。けどそれは、アフリカに対してネガティブなイメージを持っているからではなく、凝り固まった日本人アイデンティティを壊す気力がもうないからだ。しかしよく知ろうともせずに、一方的にネガティブな感情を抱く(ぶつける)のは私も好きではない。そういう意味で、ヨシダさんの写真はこれからも意味を持ち続けてほしいと願う。
Posted by ブクログ
子どものころから憧れていたアフリカに行き、「同じ格好をしたい」という長年の夢をかなえるため、裸になり、少数民族にも受け入れてもらう、思い切りのある気持ちのいい人だなっと思った。一緒に写っている写真は現地の人も笑顔だし、ヨシダさんもすごく心地よさそう。
ずっとアフリカに憧れていたからといって、虫は苦手だし、言葉も最初は分からないし、行ってみれば何とかなるっていうところも潔くて素敵。文章も面白いし写真もきれい。もっともっとたくさん読みたいし、写真も見たかったなと、ちょっと物足りなかった気もする。写真集やブログを見ればいいのか。
肌の色が白いというだけで砂を投げつけられたり、ワイロを要求されたり、写真を撮られることがビジネスっぽくなってしまっている現実、仕事を与えても真面目に働かずすぐに放り出してしまうループ、本や紙を破くことしかわからない子どもたち…も、初めて会った日本人だからと大歓迎してくれた小学校、泥水ゆで卵や激甘パスタをふるまってくれるのも、どれもがアフリカ。
Posted by ブクログ
最近「クレイジージャーニー」というバラエティにはまっている。
たまたま書店で、その番組に出演されていた方の本を発見した。
まずタイトルがすごい。
そして手にとって見ると内容もすごい。
ヨシダナギさんは女性の方だ。
著者近影を見ると、とても美人。わたしと同年代。
彼女が初めてアフリカを訪れたのは2009年。まだ23歳のころだ。(そのころの自分と比べると、とても残念な気持ちになる)
彼女は英語も話せない中、エチオピアに行ったという。
その行動力がすごい。
本書は時系列とともに国ごとに章が分かれており、章の始めにその国の簡単な説明が書かれている。例えばスーダンは面積188万k㎡、人口は3,876万人。ホスピタリティにあふれ、とても人がいいというコメントが添えられている。これはナギさんの実際に体感した、その国の人柄だろう。
日本ではあまり考えられないことがアフリカでは起こる。物乞いも多いし、宿泊する部屋のドアを開けたらゴキブリがざっと140匹いたりもする。それをナギさんは持ち前の(?)順応力で対応していく。読んでいて本当に尊敬します。
大変なことや面白いことをこれでもか、と詰め込まれていてまったく飽きることがない。
そして本書は「アフリカはとても明るくて陽気」という側面だけではなく、ナギさんが直面した負の面も書かれている。例えば肌の色。アメリカやヨーロッパなどでの差別は今なお残るというが、アフリカ内の中でも肌の明るさで差別があるという。率直にびっくりした。黒人モデルのワリス・デイリーは著書で、肌の色が黒いほどエキゾチックであるとモデルの世界では言われていたと書いていた…と思います確か。なので肌が明るい色のほうが良いとされていることにびっくりした。また、ホームレスが集まった地域では観光客に「汚い」と苦情が政府に寄せられ、観光客を立ち入り禁止とされた人たちがいた。(そしてナギさんはここでも彼らと仲良くなってしまう。)
知らない世界を知るのは楽しい。
ナギさんの体当たりの取材はアフリカ大陸を「アフリカ」として認識していたわたしに、それぞれの国で事情やお国柄が違うということを教えてくれた。
そしてナギさんの「距離の飛び越え方」はとても参考になった。これは絶対に、普段の生活でも役に立つ。
とても面白い本で、ここで書きたいことはたくさんあるがとても書ききれない。裸になるナギさんとか。超面白い。
だけど最後に言うとしたら、「ガイドさんとの関係はとても大切なんだ」…ということかな。ほんと、とても大切なんですね…。
なんだか、この本でわたしも旅をしたような気持ちです。
ありがとうございました、ナギさん。