あらすじ
『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』etc……ジブリはなぜ常に予想を超えるヒットを生みだし続けることができたのか。そこには作品の力に加え、プロデューサーである著者と、仲間たちの力があった。「宣伝の本質は仲間を増やすこと」という思想の下、監督と激論を交わし、企業を巻き込み、駆けずりまわり、汗まみれになって体得してきた経験則とは――。秘話満載で綴る、三〇年間の格闘の記録。
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Posted by ブクログ
ジブリプロデューサーの鈴木さんが、ジブリの宣伝方法や戦略について語った一冊。狙って収益を上げる、なんてことができるんだなあと驚きです。
Posted by ブクログ
「映像研には手を出すな!」の金森氏を待つまでもなく、たとえば「げんしけん」のハラグーロとか、ガイナックスの岡田斗司夫とか、とかく悪い意味で「金を集めるのがうまい」「口先だけの人」は、業界モノを見るだに見え隠れしていた。
翻って、宮崎・高畑両氏の背中にベッタリくっついている口だけオッサン、宣伝の際には腹にボコッと出てくる喋りたがりオッサン、そして押井守を追っているときに必ず出てくるオッサン、他の文化人を検索すると結構な頻度で自身のラジオ番組に呼びつけているオッサン、ということで認知していた。
が、作り手に寄生するオッサンが最も嫌いな人種だし、時代と格闘するだとか作務衣着て毛筆するだとか、そういう人物ってオヤビン気取って金をガッポガッポ動かしてるわりにはカラッポなんだよねと侮っていた。というか、侮っている。読後も。
が、その評価を、どうしても変えざるを得ないのは、この人、ただ金集めするだけではなく、作品にも口を出すのだ。
どころか、企画も言い出している。
言い出しっぺ……持ち掛け……ヤクザというかチンピラ……話題提供者……フカシ……金集め……叱咤激励者……宣伝者……と八面六臂の活躍をしている……、
というか、宮崎駿や水木しげるがスタッフを社員化して自身を永久創作機関に仕立て上げたのを、またも模倣して、取り巻きを活用して自身を永久宣伝機関と仕立て上げようとしている……その日々を、まとめたのが本書である。まあワーカホリックの歴史と言えなくもない。
決して自ら筆を動かした……PCを打鍵した……ものではない。ただ放談したものを、秘書だか側近だかにまとめさせたものだ。
という事情であるから、汗みずくの執筆の賜物では、ない。かるーい、俺こんなこと考えてたんすよー、俺はすげーし、俺の失敗も俺の思惑のうちなんすよー、という本。いわば成功者・爺の回顧録に過ぎない。
が、通史の雰囲気をつかむには悪くない。
おそらくこの爺、多分に嘘をついている。それぞれを細分化する資料もあるはずなので、もっと詳細に見ていこう。
結論。鈴木敏夫的プロデューサーは、いまや老害。とはいえこんな老害や、宮崎駿のような老害ワーカホリックがいたからこそ残っている名作が、山のようにある。
これを享受しないのは勿体ない。
Posted by ブクログ
ジブリ映画をヒットさせた鈴木氏の著書。関係者側から見た鈴木氏の印象も書かれている。関係者によると、鈴木氏は言葉数少なく、また暴言をよく吐きすぐに手が出るという内容が多々あり、驚いた。鈴木氏側の話だけを見ると、彼は温厚で真面目な人だという印象を受ける。「映画は金をかけて宣伝すれば必ずヒットする。金をかけるほどヒットする。」という黄金の方程式を作った鈴木氏。世の中に流行らせるには、皆に周知してもらうというきっかけを金でつくらねばならないのだ。本書の中で、ホームページで制作日誌を毎日更新するという内容がある。そこで鈴木氏は「ファンの人に、制作スタッフの一員であるかのように感じてほしかった。」と話している。これは私の仕事でも参考になりそうだ。