【感想・ネタバレ】逆襲、にっぽんの明るい奥さまのレビュー

あらすじ

きっとあなたに似た主婦がいる、8つの物語。

《わたしにとっては、主婦とは雄々しい人たちです。たった一人で、家族のために自分の全てを差し出している善意の人です》《逆襲したわけは、そうでもしないと誰も、主婦の話なんて聞いてくれないからです。うっかり「どうしたの」と言ったら、面倒なことを振られるとでも思うのでしょうか。そうではないのに。ただ知って欲しい。それだけのことです。》(著者)
子どもは言うことを聞かず、夫は理解してくれず、姑は口出ししてくるし、ママ友との関係には気疲れするし、会社では上司に「もっと真剣に働け」と言われ……それでも悲しみも苦しみも胸に隠して、今日も家族のために奮闘する「奥さま」たち。日本最大のサイエント・マジョリティーである彼女たちの胸の内を、リアルに綴った短編集がいよいよ文庫になります。
主婦なら誰でも身に覚えのある描写が満載、そして読み終える頃には明日を生きる勇気をもらえる、8つの共感ストーリー。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

夏石鈴子は、みんなちょっと心の隅に持ってはいるけど、口にするとちょっと恥ずかしい感情をすくい取るのがうまい。本書もそう。
いろいろな奥様の、口に出しては言えない、だけど小説という形でコッソリ覗いてみると「そうそう、いけないとは思いつつ、そう感じちゃう」がずらり。
しかも、ある短編の登場人物が別の短編に「わかってくれない他人」として登場して、両方に共感してしまう、という離れわざ。
相田みつをの「いいじゃない、人間だもの」に通じる「ダメさを抱えた人間という存在」への愛が感じられる。
あとがきで著者の壮絶な結婚生活(の破綻)の顛末が書かれているけど、良し悪しかも。そんなひどい人、もっと早く別れればよかったのに、と同情せざるをえない。

0
2016年07月15日

「小説」ランキング