あらすじ
【デジタル着色によるフルカラー版!】青池和也の別荘がある熱海で、つくしは道明寺と事故のようなキスをしてしまう。おまけに魅かれ始めていた花沢類の静への告白を聞いてしまい、大ショック! そんなつくしの心を救ったのは、大嫌いな道明寺だった…。
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何回も何回も読み直したのに、やっぱり読み直したくなる。
そんな名作中の名作である“花男”が、待望のカラー版で登場! つくしが! 道明寺が! 花沢類が! そしてあんな名シーンもこんな名シーンもカラーで読めるんです〜〜〜〜神のみわざか?
お金持ちばかりの永徳学園に入学した超貧乏の牧野つくしが、学園を支配するおぼっちゃま軍団「F4」にいびり倒されるも屈せず、リーダーである道明寺司と恋に落ちる……。
今すごく頑張ってあらすじを2行にまとめたのですが、その内情は山あり谷あり、有為転変、波乱万丈。神尾葉子先生の作品はどれもジェットコースター並みに展開がうねるのですが、この作品も例外ではありません。むしろその頂点ともいうべきうねうね感で、つくしが素直になったと思ったら司が事件に巻き込まれ、司がデレた直後につくしがそれどころではなくなり……と、二人と読者は常に翻弄されるのです。でもそれがいい。
特に印象的なのは、大金持ちで何不自由なく生きてきたオレサマな道明寺が、つくしの住むボロアパートの隣室に住むシーン。試練だらけの恋愛の中に絶妙な甘さを放り込むそのバランスが、本作の魅力なんだと改めて実感させてくれました。井上真央さん、松本潤さん出演のドラマでもとてもいい味が出ておりました。
もちろんつくしと司以外の恋模様も見どころで、顔がいい男女がくっついたり離れたりくっつくふりして離れたりするのがとても楽しい。私も牧野になって花沢類に「まーきのっ」て言われたい。
それは現在連載中の続編『花のち晴れ』(集英社)も同様で、第二のつくし&司とも言える音&ハルトカップルの奮闘から目が離せません(つくしの登場で面白さはますます加速!)。山あり谷ありの苦難を乗り越えて愛情を育てるカップルに悶えたければ、このジェットコースターに乗るしかないのです!
感情タグBEST3
ハプニングの連続です
そんなバカな!と思うようなハプニングの連続です。切なくなるようなハプニングてんこもり。
これ、最終的に、「いい男だから」「主人公がゆくゆく好きになる男だから」許されるハプニング、行動、言動だったりするわけで、好きでもない男とのこんなにたくさんのアレヤコレヤは、ほんと嫌ですよね。
ちょっと司を見直すシーンもありますが、「いつも胸糞な人がほんのちょっと良いことをしたら、ホントはいい人」現象には、首をかしげる私にとっては、やっぱり類の方が魅力的です。司は、もっともっと、片思いで苦しんで苦しんでめちゃめちゃ苦しまないと、つくしと上手くいくことは認めない!という気持ちで読んでます。