あらすじ
日本が、満州事変から日中戦争、太平洋戦争、そして敗戦へと向かうなか、新聞はなぜ戦争を止められなかったのか。なぜ逆に、戦争協力の深みに入っていったのか――。朝日新聞が自身の「暗部」を、元記者や関係者への聞き取りをはじめ、国内外の総力取材によって検証、日本ジャーナリスト会議大賞を受賞した多角的ノンフィクション。当時の紙面や貴重な戦争写真資料もふんだんに掲載。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
朝日新聞がなぜ戦争を止められず、逆に戦争協力の深みにはまっていったのかを検証した本。朝日の社員の行動や発言が主だった上巻とは違い、下巻では南京などの事象が中心で語られている。個人的には、この本を取材した取材班個人の主観をもっと全面に出してもよかったのではないかと思えた。その理由は読み手には善悪の判別が付けずらい部分がいささかあったからだ。ただ朝日には内部の膿を外へ情報を公開する自浄システムがあることは理解できた。今回の池上さんの件もいい意味で情報が外へ公開された結果のだろう。朝日のことを徹底的に安倍総理は批判していたが、個人的には秘密保護法などで情報を隠蔽する安倍総理がそんな事を言える立場ではないと思った。情報を隠す安倍政権はフェアではない。公正に朝日を批判したいのなら、自らの政権も隠し事をせず、オープンにするべきではないか。この本を読んでそう感じた。