あらすじ
片づけは雑務じゃない。「仕事そのもの」だ――。勤務40年以上の元現場リーダーたちが語るトヨタの知見をまとめた1冊。20万部超えのベストセラー!
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Posted by ブクログ
■片付けのムダは作業のムダ、作業のムダは効率のムダ
十分な成果を出せていない職場ほど片付けがされていない。
1.スペースの無駄
2.時間の無駄
3.間違える無駄
4.とりにいく無駄
スペースにしろ時間にしろ、無駄なもの=有効活用が出来る余地がある。
(言い換えれば、使えるのに"使えてない")
■片付けは「雑務」ではなく「仕事そのもの」
トヨタには「何事も5Sから」という考え方がある
・整理(Seiri)
・整頓(Seiton)
・清掃(Seisou)
・清潔(Seiketsu)
・しつけ(Shitsuke)
仕事とは別物、という捉え方ではなく"仕事そのもの"として上記は考えられている。
仕事の一部=普段から習慣的にやるのが当たり前。
日常的に取組むことでオフィス内の生産性・効率がアップする。
「経営のすべての道は5Sに通じる」といっても過言ではない。
また、こんな言葉もある。
「"いつか使うだろう"は諸悪の根源」
要らない物は処分する、という観点を徹底できていない職場や人ほど効率が悪い。
■そのルールは本当に正しいのか?
ex)とある"書類が山積みになっている"企業にて…
その企業では書類を5年間保存するルールがあった。
=ISOを取得する際に外部のコンサルタントから「それぐらい保管した方がいい」と言われたから
実際に現場にインタビューをすると、5年前の書類を見返すことは一度もなかった。
2~3年前の書類であれば見返すことはあった。
⇒つまり、そのルール自体が誤りだった(※現場感とフィットしていなかった)
身の回りのモノを意識して見ていくと同時に、制度やルールも見直す必要がある
■片付けには「判断基準」が不可欠
ex)トヨタのディーラーにて
タイヤがパンクし、困って飛び込んできた人が居た。
そのディーラーにはスペアタイヤが無かったが、対応した社員は展示新車のタイヤを抜き、タイヤ交換をしてあげた。
ディーラーの社員は"お客様を最優先に考える"という判断基準を持っている。
そのタイヤは展示車の一部として「いるもの」であったが、パンクで困っている客が来れば
客にとっての「いるもの」として最優先事項になる。展示車にとっては「いらないもの」となる。
これは極端な例だが、"判断基準"の大切さを知れるエピソード
※なお、その後タイヤが1本足りない展示車を不思議に思う他の客は「なぜタイヤが無いのか」と
訪ねて事情を知り、そのディーラーのファンになる人も多かった
結果としてそのディーラーは口コミ効果で人気店になり、売り上げも上がった
■「動いている」ことで満足していないか
ex)とある部品メーカーの工場での話
倉庫は在庫で山のようになっており、通路も狭く曲がりくねっていた。
そんな中を鮮やかなハンドリングでフォークリフトを運転する作業者が居た。
案内していたリーダーが一言。
「彼は運転うまいでしょ。コーナーに来ても速度を落とさずに、すっと曲がれるんです」
⇒運転技術が高いのは素晴らしいことかもしれないが、その作業自体は付加価値を生んでいない
(その作業自体にお客様がお金を払ってくれているわけではない)
※よくよく見るとモノを右から左に動かすような作業ばかり
フォークリフトの運転に習熟するよりも、モノを動かさずにいいようにする事が最優先。
人は、動いていれば「仕事をしている」という感覚に捉われやすい。
その感覚にとらわれることなく、"この動きはムダではないか?"、"付加価値を生んでいるだろうか?"と問い直そう。
■線を一本、引きなさい
どうやったら整理・整頓が出来るかわからない!という場合はとりあえず仮で良いので線を引く。
仮の基準をつくれば、それをもとにして正常・異常がわかる状態になる。
ex)スリッパの片付けができないスーパー
1足分のスリッパが収まるような縦幅のマットを置いた=自然と並べて置かれるように
■現場任せのリーダーは片付けを習慣化できない
「整理・整頓は仕事の一部である」とリーダーやトップが理解していないと、職場全体には浸透しない
率先して取り組む姿勢を見せなければ部下はついていかない。
逆に姿勢を見せれば、習慣は浸透していく
★「百聞は一見にしかず」には続きがある
百聞は一見にしかず(どんなに物事を聞いて理解しても、見たものにはかなわない)
百見は一考にしかず(いくら沢山みても、考えなければ前には進まない)
百考は一行にしかず(どんなに考えても、行動を起こさなければ前には進まない)
百行は一果にしかず(どんなに行動をしても、成果を残さなければ成長しない)