あらすじ
非僧非俗、悪人正機、絶対他力、自然法爾……波瀾万丈の生涯と独特の思想をめぐり、これまで多くの学者や思想家が、親鸞について所説を発表してきた。いったいなぜ、日本人はかくも魅かれるのか――大河小説『親鸞』三部作を書き上げた著者が、長年にわたる探究と想像をもとに、その時代、思想、生き方をひもといていく。平易にして味わい深く、時にユーモアを交えた語りの中に稀代の宗教者の姿が浮かび上がる名講義。
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Posted by ブクログ
「親鸞」3部作を著した五木寛之氏が語る「親鸞像」。
氏が少人数のセミナー形式で語る親鸞とは。氏によれば、親鸞に自身が残した著作はなく、どのような人物だったかは想像するしかない、という。
間違いなく、歴史に残る天才であり、偉大な足跡を残した宗教家。私個人としてもいままで親鸞をきちんと勉強したことがなく、まさに「はじめての親鸞」だった。
当時の仏教や寺の位置づけについて。寺を作るにあたり、大工や庭師などさまざまな職人が大量動員される。これは一種の公共事業だった、とする。いったん大きな寺が出来れば、僧が集まり研究がなされる。その意味で大学の機能も果たし、仏教そのものも含め官僚養成所としての役割もある。若い僧が歌うように唱える声明は、今でいうジャニーズのコンサートにあたる、一種の娯楽だった、とする。
こうなるともう親鸞3部作を読むしかないではないか。