【感想・ネタバレ】叛獄の王子(1)のレビュー

あらすじ

享楽の園、ヴェーレの宮廷で日々繰り広げられる饗宴。隣国アキエロスの世継ぎの王子デイメンは、腹違いの兄に陥れられ、ヴェーレの王子ローレントの前に奴隷として差し出された。手枷と首枷をはめられ、氷の心をもったローレントから屈辱的な扱いを受けるデイメン。しかし彼は心の自由を失ってはいなかった。
そんなある日、己のうかつさから鞭打ちという罰を与えられ、ローレントにさらなる憎悪を抱くデイメン。しかし自国の民を救うため、彼はローレントの前に跪くのだった――。
宮廷内で蠢く陰謀と愛憎。ふたりの王子の戦いが、幕を開ける。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

BL関係なく戦記ファンタジーものとして面白い。というレビューを見て購入。
同性同士の性交渉が当たり前にある世界という前提で描かれているのでそういった場面も出てくるのだけど、それがメインではなく舞台装置としての演出といった感じで、本題は飽く迄戦記ファンタジー。話の筋がよく練られていて、単純明快なわかりやすさのない様々な思惑が絡み合った重厚なストーリー。とても面白い。
1巻のラストまで読んでも主役の二人の間には信頼のような何かが芽生えたか、という段階で、BLではなくブロマンス展開になる方が正直燃える。このままでいてほしい。

ただ、中盤でローレントが口にする「己が大切にしているものを教えるのは……」の台詞を踏まえてそれ以降のデイメンの扱いを見ていると、これは確かにBLだと思う。私はここで一気に腐女子フィルターが掛かってしまったのでつらい。これは行間で読ませるBL……。

巻末に収録されていた外伝は途中出てきた奴隷の子を描いていて、なんというか『トーマの心臓』の時代の少女漫画の雰囲気をそのまま文字に起こしたようだった。翻訳者の方が良いお仕事をされていると思う。

2
2018年10月12日

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