あらすじ
資源が無くても、クリエイティブで勝負できる!
イノベーション・デザインの先駆的発信地、
デンマークに学ぶ、発想力の鍛え方
アート、建築、デザイン、イノベーションの先駆的発信地デンマーク。
いまや、国民所得は日本をはるかに凌駕し、各種の社会経済の競争力や国際競争力ランキングでは常に上位をキープ、出生率などにおいても優等生です。
この日本と同じ資源に乏しい小国で、圧倒的な経済力を牽引してきたキーワードとは「ニッチ産業におけるイノベーション」です。イノベーションを生み出すために必須の「創造力」はいかに培われてきたのでしょうか。
一人あたり国民所得は日本よりも30%以上高く、消費税は25%でありながらも、国連が発表している国民の幸福指数では世界一です。
また、日本と同じ資源に乏しい小国でありながら、GDPのなんと60%を稼ぎだしているのはなんと工業、医療、エネルギー、農業・食品、ICTなどの特色ある「輸出産業」です(「輸出立国」の「日本」のGDPに占める輸出の割合はおよそ15%)。
本書では、""レゴ""や""ヒュンメル""、世界一の人気レストラン""noma""、ウェブでカスタム・タトゥーデザインの販売を手掛ける""tattoodo.com""など、注目企業のオーナー、世界的に活躍している気鋭の建築家、芸術家、ドラマ制作者への取材から、その秘密に迫ります。
海賊ヴァイキングの時代から世界を牛耳る海運産業を牽引し、コンテンツ、建築や工業製品のニッチ分野で圧倒的な強さを、生み出す知識・イノベーションを生み出してきた「創造力」とは。本書で紹介する人物たちは、各界を代表するイノベーターであり続けます。
解説 『「イチからアルファ」を生む国』 田村 大(リ・パブリック共同代表/東京大学i.school共同創設者エグゼグティブ・フェロー)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
個人のヒーロー的なクリエーターや起業家などをイメージさせる「クリエイティビティ」に関して、「箱の外」ではなく「既存の枠の限界ギリギリ」という第二世代的な「クリエイティビティ」観を提示している良書。チクセントミハイ氏のフローなども多く引用され、第二世代のクリエイティビティを理解するのに役立つ。ビジネスにとってクリエイブな視点がより重視される2015年冒頭に、この本に出会えたことは素晴らしい!
Posted by ブクログ
1.新しいことを生み出すためにはどんなことをしていけばいいのかを知る。
2.クリエイティビティとは、既存のモノを組み合わせたモノになる。クリエイティビティの基本要素として、ブレイクスルー、合理的な行動、継続的な行動、リスクを負う意思がある。これらが1つでも欠けていればクリエイティブな仕事をすることはできない。つまり、現状満足せず、思考し、行動し続けることでしかクリエイティブな発想は生まれてこない。これを前提として、これらを実践している様々な職業の人たちに焦点をあてて、インタビューをした様子が書かれています。
3.自分の思考の枠の限界ギリギリで考え続け、行動していくことでしか新しい発想は生まれてこないという考えはどの本にも書いてあることだと思います。ただ、この本ではインタビューという形で描かれていたので、面白かったです。
クリエイティブな思考が必須の現代では、その発想ができる人とできない人の二極化が進んでいます。何も考えない社員と自ら行動する社員とでは、人間としての成長度は大きく違います。これからは何も考えない人が淘汰されていく時代になってきます。クリエイティブとはなんなのか、自分なりにはっきりさせてみたいと思いました。
Posted by ブクログ
世界でもっともクリエイティブな国はデンマークとして、その広告会社クリエイティブディレクター、建築家、アーティスト、ミュージシャン、DJ、弁護士、作家など多くのクリエイティブな人々へのインタビューを通じてクチエイティブは如何に生まれるかを解き明かす好著。通奏低音となすのは共創、米国型天才英雄列伝とは異なり、同僚、仲間あるいは先人とのコラボレーションによるクリエイティブが特徴。また、「クリエイティビティとは既存の枠の外で考えるのではなく、既存の枠ギリギリのところで考え活動することに関わる能力である。」とあったのが印象的でした。