あらすじ
私たちは、ことばを通して世界を見たり、ものごとを考えたりする。では、異なる言語を話す日本人と外国人では、認識や思考のあり方は異なるのだろうか。「前・後・左・右」のない言語の位置表現、ことばの獲得が子どもの思考に与える影響など、興味深い調査・実験の成果をふんだんに紹介しながら、認知心理学の立場から語る。(カラー口絵2頁)
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Posted by ブクログ
ここ最近読んだ言語学関連の本でいちばん面白かった。
言語が思考に影響を及ぼす例として、「文法的性」があげられているが、確かにそうかもしれないと思う。
私は大学時代に文法的性をもつ言語を学んでいた際に単数形、複数形以上によく分からない概念だし、ネイティブの人はどういう感覚を持っているのだろうと疑問に感じていた。
しかし、この文法的性と私たち日本人が使う助数詞は、ものを文法で決められたカテゴリーに分類している点で同じという説明を読んで考えが変わった。
私たちが助数詞に対して持っているなんとなくのイメージや無意識下の使い分けを、ネイティブの人たちは文法的性に対してしていると考えるとすごく腑に落ちた。